虹が教えてくれること その1
七色のアーチを作る虹。
きれいですよね。
あの七色の光が、どのように作られているのか、ご存知のことと思います。
空気中にある無数の水滴が、プリズムの役目を果たして、光を七色に分散させているのですね。
ですから、雨上がりの空や、庭に水を撒いた時などに、見ることができます。
通常の光を見た時には、光は白っぽく見えます。
そこに七つの色が、隠されているとは思えません。
ところが、波長ごとに分散されると、虹が出現するのです。
面白いのは、光が七色に分散されるだけではありません。
七色の光が一つに重なることが、できるということです。
これは光の特徴で、同じ所にスポットライトを、いくつも当てたところで、そこで光が盛り上がることはありません。
光は無限に重なることが、できるのです。
光を空間の一部だととらえると、光は空間そのものの振動だと、見ることができます。
振動の違いは、波長あるいは周波数という形で、表現されます。
光が空間の一点を振動させている時、そこには七色の光の振動が、重なっているわけです。
つまり、波長の異なる七色の光の振動が、同じ一点に重なって、存在しているということです。
ところで、私たちがいるこの世界を見てみますと、しっかりとした形や、触感があります。
私たちはそれを物体と呼び、物体を構成しているものを、物質と呼んでいます。
私たちの体も、その物質でできています。
そして、この物質と光が別物であると、私たちは感覚的に理解しています。
物質は手で触れたり、つかんだりできますが、光はそれができません。
ですから、両者は別のもののように受け止めているのです。
しかし、物質は素粒子という、形のないエネルギーで構成されています。
しっかりとした形があるように感じるのは、素粒子が構成している原子の表面が、電気的にマイナスになっているからです。
原子と原子が、ある程度以上近づこうとするのを、互いのマイナスが反発し合って、防いでいるのです。
手で何かに触れる時、手の表面の原子のマイナスと、物体の表面の原子のマイナスが、反発し合って、それ以上は近づけない状態にあるわけです。
もしこの電気的な力がなければ、あなたの手は幽霊の手のように、すっと物体の中を抜けてしまい、その物体を持つことも、触れることもできないでしょう。
そうなれば私たちの世界は、つかみどころのない、幻のようになってしまいます。
と言いますか、本当は幻のようなものを、実感があるように構成しているだけなのですね。
実際は私たちの世界そのものも、光と同じエネルギーであり、空間の振動によって、表現されたものなのです。
それは、世界の一部である、私たち自身についても言えることです。
私たちも、光と同じエネルギーであり、かっこいい表現をすれば、私たちは光の化身なのです。
虹が教えてくれているように、空間を振動させる光の中には、異なる波長の光が混在しています。
また、私たちの世界も、空間を振動させるエネルギーにより、表現されたものです。
そして、私たちの世界を構成している空間には、別の振動エネルギーが混在しているかもしれないのです。
いや、混在していると考える方が、自然でしょう。
虹のように、様々な波長の世界が、同じ空間に重なって混在しているのです。
ただ、私たちが認識できるのは、この世界の波長だけです。
他の波長の世界を、直接には知覚することはできません。
いわゆるパラレルワールドや、あの世などの世界は、どこか遠くにあるのではなく、私たちの世界と、隣り合わせに存在しているのです。
私たちが、この世界に存在しているのは、私たちの波長が、この世界の波長と同じだからです。
私たちと世界を分離することはできません。
私たちは世界の一部なのです。
ですから、世界の波長と私たちの波長は、同じなのです。
自分一人が、世界と異なる波長を持つことは、できないのです。