無意識とのつながり その2
先日、行きつけのカフェで、素敵なショールが、目に留まりました。
青空のような爽やかな青色で、手に取ってみると、生地が厚手で、これから寒くなるのに、肩掛けや膝掛けとして、使えると思いました。
もちろん、私が使うのではありません。
初めは家内に、どうだろうかと思ったのです。
このショールはカフェを経営している方の、お姉さんの手作りだそうでした。
自分で布を藍染めして、作られたそうです。
一点物で、他では売っていません。
しかし、値段を見ると、結構な値がついていました。
そこで、いったんは席に戻って、買うのを諦めようかと思いました。
それでも、どうしてもそのショールに、目が向いてしまうのです。
普段の私は、着る物には全くの無頓着で、穴が開いている物でも、平気で着る人間です。
ファションには、少しも関心がありません。
家内が服を買う時に、どれが似合うかの判定を、手伝う事はありますが、そうでない時には、衣類への関心は、全然湧かないのです。
それなのに、どうしてこのショールに惹かれてしまうのか、自分でも不思議な気がしていました。
食事をしながら、家内と喋っている間も、心の半分は、棚にある青いショールに、向いていました。
とうとう我慢ができなくなって、私はそのショールを持って、家内に感想を聞いてみました。
別に家内の誕生日ではありませんし、家内は別のショールを持っています。
それでも家内に感想を尋ねてみると、家内はそのショールが、素敵だと言いました。
でも、欲しいかと聞くと、今はいらないという返事。
それなのに、私はそのショールを、諦められませんでした。
気持ちは、ほとんど購入するつもりだったようです。
そこで、ふと思いついたのが、お義母さんにどうだろうか、という事でした。
お義母さんは冷えが原因で、神経痛が出るようでしたので、肩掛けや膝掛けにどうかと思ったのです。
その話をすると、家内は母親はきっと、喜ぶだろうと言いました。
ただ、値段の事を気にしていました。
それでも私は、お義母さんが喜んでくれるならと、購入を決めました。
翌日、家内はそのショールを、お義母さんに届けに行きました。
実は、ショールを買った翌日が、お義母さんの誕生日だったのです。
でも私は、その事を忘れていたので、結果的にショールは、誕生日プレゼントになりました。
家内の話によれば、ショールを目にしたお義母さんは、一目でそのショールが、高価な物だとわかったそうです。
実はお義母さんも、そこのカフェがお気に入りで、前に訪れた時に、この青いショールを見て、素敵だと思ったらしいのです。
でも値段を見て、とても買えないと思って、諦めたそうでした。
だから、そのショールを誕生日プレゼントとして、受け取れたことで、お義母さんはとても喜んでくれたようでした。
私はそのショールが、ずっとそこの棚に置かれてあった事を、その話で初めて知りました。
これまで何度も、そのカフェを訪れていたのに、これまでは一度も、そのショールに惹かれた事はなかったですし、ショールの存在自体に、気がつかなかったのです。
それなのに、その日は店に入った時から、どういうわけか、目がそのショールに、釘付けになっていたのです。
全く不思議な事だと思いました。
きっとあの時、私の無意識がそのショールを購入するようにと、私に囁き続けていたのでしょう。
そして、それに従った結果、思いがけない喜びに、巡り会えたわけです。
ですから、普段から常に、無意識の言葉に耳を傾けていれば、幸せな人生を送れるはずだと、私は思いました。
では、どうすれば無意識に、自分の心をつなぐ事ができるのか。
私はショールに心を惹かれていた時の事を、思い浮かべました。
あの時の感覚。
それは頭の中の感覚だけでなく、空間の感じも、普段とは違っていたように思います。
恐らく体を包む、気のエネルギーの状態が、いつもと違っていたのでしょう。
とにかく、自分を信じて行動を起こすんだと、体の中からも外からも、後押しされているような感覚です。
その感覚を思い出していると、今も心が無意識と、つながっているような気がします。
無意識とつながった感じがしていると、とても安心な気持ちになります。
今は世界中が、いろんな問題で大変な状態にありますが、そんなものとは無縁の世界に、いるような気になります。
みなさんも、誰かを想う気持ちから、思いがけない喜びにつながった時が、あると思います。
その時の感覚を、ぜひ忘れないようにして下さい。
世の中に不安が一杯あふれていても、あなたの周りには、きっと喜びが広がるでしょう。