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古代小麦 その1

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 ※Stephan RinkeさんによるPixabayからの画像です。

スペルト小麦という言葉を、聞いたことがあるでしょうか。

これは世の中に流通している小麦の原種で、古代からある小麦です。

8000年以上前からエジプトで栽培され、その後、ヨーロッパに伝わったそうです。

スペルト小麦は原種ですから、通常の小麦のように、人間の手がほとんど加えられていません。

小麦を品種改良する理由は、同じ面積からより多くの小麦を、安定的に収穫することや、人間が求める質が高い、商品価値のあるものを作るということです。

原種であるスペルト小麦は、そんな人間の都合に関係なく、自然の中で自らの力で生きています。

通常の小麦は、人間の都合によって品種改良が為されているため、人間が世話をしてやらねばなりません。

そのため、どうしても肥料や農薬、除草剤などを使う必要が出てきます。

また、環境の変化に適応することがむずかしく、気候や土壌の変化によっては、不作になることもあります。

しかし、自然の中で生きるスペルト小麦は、生命力が強い植物です。

通常の小麦には条件が悪いとされる土地でも、スペルト小麦は育つと言います。

ただ、多くの収穫のために品種改良された、通常の小麦と比べると、当然、同じ面積における収穫量は、少なくなります。

そのため市場での価格が、通常の小麦の1.6倍ほどになるようです。

それでも、この小麦を求める人は、少なくありません。

その理由は、健康にいいからです。

 ※gaetano28さんによるPixabayからの画像です。

通常の小麦は、殻を取ってしまうと、大切な栄養素の多くが、殻と一緒に取り除かれてしまいます。

しかし、スペルト小麦はその栄養素が殻ではなく、内側にあるので、殻を取っても失われません。

また、小麦アレルギーの人は、スペルト小麦だと症状が出にくいそうです。

アレルギーの原因となるのはタンパク質ですが、スペルト小麦にもタンパク質は含まれています。

それなのにスペルト小麦では、アレルギー症状が出にくいというのは、小麦によってタンパク質の質が、異なるのかもしれません。

でも、それだけでなく、通常の小麦の場合、化学物質の影響という可能性も、否定はできないと思います。

スペルト小麦の良さというものは、自然の生命力というだけでなく、人為的な有害物質が含まれにくい、ということがあるのでしょうね。

 ※FotoaugeさんによるPixabayからの画像です。

今の大量消費を基盤とした経済社会においては、多くの収穫量が期待できないスペルト小麦は、脇役に過ぎません。

しかし、その結果として、小麦アレルギーだけでなく、様々な病気や不調が、世の中に蔓延しているのだとすれば、社会の在り方や考え方を、変える必要があるでしょう。

お金を儲けるという考えではなく、いい物を人々の手に、という発想で動くべきなのです。

また、栽培場所を選ばないのであれば、世界各地でスペルト小麦を栽培すればいいのです。

現地の人が必要な分は、そこの現地で作るようにするのです。

何故、わざわざ限られた国や地域から、小麦を仕入れなければならないのでしょうか。

それは、小麦などの食料を握ることによって、世の中を牛耳ろうとする、あこぎな人々の企てに乗るだけです。

自分たちの食べ物は、自分たちで作る。
これが基本だと思います。

食べ物は小麦だけではありませんから、他の食べ物についても、みんなで考え直す必要があるでしょう。