長い物に巻かれる
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長い物には巻かれよ、という言葉があります。
力のある者には従った方が得策、という意味です。
裏を読めば、長くない物には巻かれない、すなわち、力のない者には従わない、という意味になりますね。
上司にはぺこぺこするのに、部下には威張り散らすような人の、イメージでしょうか。
出世あるいはお金儲けのためであれば、自分の主張とは違う相手にでも、頭を下げておいた方が得をする、という発想でしょう。
こういう人は裏表があり、嫌なやつ、信用できない人、と見られると思います。
でも、こんな人たちは一般の人間から、どのように見られようと構いません。
自分が媚びを売る相手から、どう見られるかということだけが、重要なのです。
しかし、長い物に巻かれるというのを、もっと広い意味でとらえると、どうでしょうか。
世の中の流れに、逆らわずに生きるというものです。
みんながしているから、みんなが持っているから、みんなと同じが安心だから。
みんなと違うことに対して不安を抱き、安心を得るために、自分の想いを封印してしまうのです。
言い方を変えれば、安心のために自分を殺すのです。
でも、自分を殺して、何の安心でしょうか。
自分が活き活きした上での、安心でなければ、意味がないでしょう。
権威や権力になびく人も、結局は自分を殺し、大切なものを犠牲にして、安心を手に入れようとしているのです。
つまり、世の中の流れに自分を合わせている人も、権力になびく人も、中身は同じということです。
力がある者の言いなりになる人には、嫌悪感を抱くと思います。
でも案外、自分も似たようなことを、意識しないまましているのかもしれません。