世界について考えよう その2
水槽の中で飼われている、金魚やメダカには、水槽の中だけが世界です。
水族館で生まれて育てられた、イルカやアシカたちも、同じようにそこが世界だと受け止めているでしょう。
ただ、イルカは知能が高いですから、自分がいる場所以外にも、別の世界があると考えているかもしれません。
狭いプールの中を泳ぎながら、どこかにある広い世界に、想いを馳せている可能性はあるでしょう。
同じように、私たちはこの世界に暮らし、普段はここ以外の世界については、考えることをしません。
日常の暮らしに埋没し、生活に直接関係ないと思われれることには、関心を振り分けようとはしないのです。
それは、水槽で飼われる金魚やメダカと同じです。
しかし、知識や真理に好奇心を向ける人は、こことは別の世界へ、想いを馳せることでしょう。
プールの中のイルカと同じです。
ただ、プールの中のイルカが、自分で海へ行くことはできません。
でも、ある日、水面から高くジャンプをした時、プールの壁の向こうに、海が広がっていると気がついたとしましょう。
海に興味を持ったイルカは、さらに高いジャンプを試みて、プールの壁を越えようとするに、違いありません。
壁のすぐ向こうに、別の世界があると理解するか、また、その壁を越えることをあきらめないか。
このことは、とても重要です。
壁の向こうの世界の存在を、知ることがなければ、何も始まりません。
知ったとしても、壁を超えることはできないと、決めつけていては、やはり何も始まりません。
何とかして超えてみせるという意気込みで、挑戦して始めて、新たな世界へ飛び込むことができるのです。
これは日常の暮らし方にも、活用できる考え方です。
今の暮らしに飽き飽きしていても、違った生き方があるのを、知らなければ何もしないでしょう。
違った生き方があるのを、知ったとしても、それは特別な人だけの、特別なものだと考えると、自分の生き方を変えることはしません。
自分もあんな風に暮らしてみたい、絶対にあんな生き方をするんだ、と心に決めて動けば、生き方は変わります。
生き方を変えるということは、ある意味で、パラレルワールドに飛び込んだと、見ることができるでしょう。
いや、恐らく私たちは、知らず知らずのうちに、パラレルワールドを体験しているのに、違いありません。
生き方を変えなかった世界から、生き方を変えた世界への、シフトを体験しているのです。
気がついていないだけのことで、パラレルワールドとは、私たちの身近な所にあるのです。
世界全体ががらりと違った、こことは全く別の世界である、パラレルワールドもあるでしょう。
でも、同じような構成の世界の中で、枝分かれをするような、パラレルワールドもあるのです。
周囲の世界の様子が同じでも、一人一人が体験している世界は別々です。
あなたが体験している世界は、あなたが知覚している情報に基づいた、あなただけのオリジナルの世界です。
周囲が変わっていないように見えても、あなたが体験している世界は、前とは異なる世界なのです。
全体の世界は、全ての人々が感じている世界の、合作だと思えばいいでしょう。
世界の中で、あなたが関わっている部分は、あなたによって異なる世界に、変えることができるのです。
自分が水槽あるいはプールの中にいると思うのか、そんな所より、もっと伸び伸びした世界を望むのか、全てはあなた次第です。