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異例のメダリスト

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 ※Please Don’t sell My Artwork AS ISさんによるPixabayからの画像です。

東京オリンピックも、いよいよ終わりを迎えます。

いろいろ問題を抱えたオリンピックではありましたが、各国から集まった多くの選手たちは、過酷な条件の中で活躍し、日本に対してねぎらいや、感謝の言葉を見せてくれました。

その多くは、東京都や日本政府、あるいはオリンピック委員会ではなく、現場で選手たちを支えてくれた、名もなきボランティアの方々や、日本各地の一般の人々に向けられたものでした。

また、競技ではライバル同士でも、各選手たちは相手選手を称えたり、失意の選手に手を差し伸べたりと、友好的な光景が随所で見られました。

こうしてみると、やはりオリンピックは一種のお祭りであり、世界中の人々の交流の場なのだと、改めて実感させられます。

しかし、人が集まる所にはお金も動く、ということで、邪な心を持った者たちが、オリンピックを食い物にしようとするのが、大きな問題でしょう。

そのため、これまでのオリンピックは選手本意の大会ではなく、金を求める者たちのための大会にされていました。

それでも、今回のオリンピックはコロナが絡んだことで、お金を目的にした者たちの儲けも、かなり目減りしたことでしょう。

また、ただでも経費が嵩んで、大赤字になってしまうことも、わかって来たので、今後のオリンピックのあり方は、大きく議論されることになると思います。

その際には、世界中の選手たちの意見が、反映されることを期待します。

話は変わりますが、様々な魅力ある選手たちの、姿を見せてもらった中で、私が一番心惹かれた選手がいます。

それは、女子ボクシングフェザー級の金メダリスト、入江聖奈選手です。

楽しそうな笑顔を、振りまきながらの入場。

面白そうな人だと思いきや、試合が始まると一転して、迫力あるボクサーに。

かと思えば、レフェリーに注意を受けると、ぺこりとお辞儀をして謝ります。

勝ちが決まると、涙を流して喜びながら、真っ先に敵陣営に行って挨拶をし、感謝の意を示しました。

こんなに強くて面白くて礼儀正しい選手を、私は見たことがありません。

闘っている最中に、ぺこりと頭を下げる姿は、海外からも注目されたようで、彼女を通して、日本人の姿を見てもらえたように思います。

彼女の面白さは、これにはとどまらず、試合後の会見で、何と引退を発表したのです。

東京オリンピックが最初で最後だと、初めから決めていたそうで、第二の人生も大事にしたいし、社会人としてがんばって、みんなに恩返しがしたいと言うのです。

多くのメダリストは、体力の限界を感じながらも、次の大会を目指そうとしますし、周囲の期待がそうさせます。

引退後の夢を語る選手も、少なくありませんが、すぐに引退して、次の仕事を目指すという人は、他にいないのではないでしょうか。

入江選手は周囲の期待も知りながら、自分の人生をしっかり見据え、自分の意思で自分の人生を切り開こうとしています。

これは、なかなかできることではないでしょう。

また、何がしたいかというのが面白い。

カエルとゲームが好きなので、カエル関係の仕事か、ゲームの仕事がしたいと言うのです。

しかも、オリンピックが終われば、早速カエル探しの旅に出ると言います。

とにかく、 入江聖奈選手は意外性を秘めた人物で、次に何をするのか、予測がつかない人ですね。

実に魅力的な人です。

ボクシングにしても、カエルにしても、周囲の目を気にせず、自分が興味を持った道を、突き進むという姿勢は、多くの人に刺激になったのでは、ないでしょうか。

彼女のような人が、世の中にたくさん現れることを、私は期待したいと思います。

また、きっとそうなって行くのだろうと、予感しています。

本当に可愛らしくて面白くて、素敵な選手でした。