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死を覚悟する その1

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 ※kscz58ynkさんによる写真ACからの画像です。

普段、死について意識することは、あまりないと思います。

自分や家族、親しい人たちが、この世からいなくなることなど、ほとんど考えることなく、日常生活に埋没している人が、多いのではないでしょうか。

生きることに一生懸命で、そんなことを考えている暇はない?

楽しいことなら考えたいけど、怖いことは考えたくない?

考えたところで、よくわからないから、考えるだけ無駄?

いろいろ言い分はあるでしょうが、死はいつか必ず誰にでも訪れます。

死について何も考えていない人にとって、死の匂いは常に唐突であり、いきなり奈落の底へ突き落とされたように感じるでしょう。

 ※ヤナギムシさんによる写真ACからの画像です。

突然取り上げられた時間。
まだ先があると信じていた時の、試合終了のホイッスル。

そこにあるのは、怒りと悲しみ、そして絶望です。

何で自分が?
どうして今?

いつかは必ず死が訪れるのはわかっていても、いざ自分の番が来ると、心の中はかき乱されます。

自分ではなく、大切な人の死でも、同じことです。

いつもその人が、そこにいるのが当たり前だと思っていたのに、その人が突然いなくなってしまう。

それはまるで、心が引き裂かれるようなものでしょう。

その人が亡くなったあと、心には大きな穴がぽっかりと開き、いつまで経っても埋めることができません。

自分の死でも、大切な人の死でも、残されるのは後悔ばかりです。

でも、何を後悔するのでしょうか。

 ※Berutaさんによる写真ACからの画像です。

こんなことになるのなら、こうしておけばよかった。
こうなるのがわかっていたら、絶対こうしていたのに。
死ぬなんて思っていなかったから、あんな態度を取っていた。

こんな感じのことを、悔やんでしまうのではないでしょうか。

でも、考えてみて下さい。

死ぬとわかっていたなら、Aという生き方をするのに、わかっていなかったから、Bという生き方をする。

これって変だと思いませんか。

Bという生き方を選択し、それをAに変更できないのであれば、死ぬとわかっていようがいまいが、関係のないことです。

Aに変更できるのであれば、死に関係なく、初めからAの生き方をすれば、いいですよね。

それを、死という取り返しがつかない状況になるまで、変更しないまま放って置き、死が迫ってから、慌てたり後悔したりするのは、考えてみれば愚かなことでしょう。

本当にやりたいことがあるのなら、死というものを持ち出さずに、元気なうちから、そうすればいいのです。

誰かを大切に想うのであれば、死が訪れるのを待たないで、普段から相手のことを、大切にするべきでしょう。

映画やドラマ、物語などには、よく死が登場します。

その中で、やはり死は何が大切なのかを、教えてくれています。

それなのに、実際の暮らしの中では、せっかくの教えを無駄にして、世の中の流れに乗ったまま、物事を深く考えずに生きてしまうのです。

死は誰にでも訪れます。
でも、それがいつどのような形で、訪れるのかはわかりません。

死について、いつも考え続ける必要はありません。

しかし、生きていることが当たり前だと、勝手に思い込むのは、やめた方がいいでしょう。

自分にしても、大切な人にしても、いつ死が訪れるのかは、わからないわけです。

一日一日を悔いのないよう過ごすこと。
それが、何より大事なことなのです。