隣の芝生は青い
「隣の芝生は青い」という諺があります。
芝生という言葉から、英語の諺だとわかります。
意味は、自分のものよりも他人のものがよく見えるということです。
こういうことはよくありますよね。
自分の車よりも、他人の車の方が、かっこよく見える。
自分の弁当よりも、他人の弁当の方が美味しそうだ。
自分の仕事よりも、他人の仕事の方が立派に思える。
自分の彼氏・彼女あるいは夫・妻よりも、他人の 彼氏・彼女あるいは夫・妻 が、素敵に見える。
諺ですから、昔からある言葉ですし、英語圏の諺ということを考えますと、古今東西を問わず、昔からどこでもある話ということなんですね。
人間の性(さが)というべきものなのでしょうか。
しかし、他人のものがよく見えるというのは、自分が選んだもの、自分が決定したものに、自信がないということです。
自分自身に自信がないということですね。
何を選んでも満足できず、どんな状況にいても、自分は他人よりも劣った状態にあると、考えてしまうわけです。
これと真逆の諺があります。
それは「足るを知る」です。
辞書によると、「身分相応に満足することを知る」とありますが、この説明ではよくわからないと言うか、誤解を招きそうな気がします。
「身分相応に満足する」という表現では、貧乏人は貧乏人らしくして、なれるはずがない金持ちに憧れるな、という意味にとらえることができます。
「足るを知る」とは、そういう意味ではなく、貧乏か金持ちかなどの状況に関係なく、自分が置かれた状況の中で、満足感を得るということなのです。
それは欲望を超えた、自分が生きていることへの感謝の想いであり、自分の人生を受け入れている姿勢です。
他人と比べてどうのこうのということではなく、自分が存在していることを素直に喜び、自分を支えてくれている全てのものに、感謝の気持ちを持つことなのです。
何も自分を制限するものはありませんから、自分がしたいようにできます。
自分が選んだこと、自分が決めたことを、他人がどう評価するかは、関係ありません。
今、この瞬間を満ち足りた気持ちで生きられる人は、何をしていても、思ったように生きられるのです。
決して、隣の芝生は青いと羨ましがることはありません。
「隣の芝生は青い」と「足るを知る」
あなたは、どちらの生き方を選ぶのでしょうか。