小田原市の子ども食堂
神奈川県小田原市に、「お結びころりん」という子ども食堂があります。
その名のとおり、家計に苦しい家の子どもたちに、食事を無料で提供する所です。
今は新型コロナのことがあるので、お弁当を作って配っているとのことです。
その運営は、寄付などでまかなっていると言いますが、地元の会社からの支援が話題を呼んでいます。
「お結びころりん」を支援するのは、「湘南電力」という太陽光発電による、電力の地産地消を目指す会社です。
この会社では、電気料金の 1%が子ども食堂の支援に充てられるという、「子ども食堂の応援プラン」を去年 3月に新設しました。
すると、1年間に500件もの契約となり、この電力会社も驚いていると言います。
学生服を販売する地元の会社も、先月このプランに契約しました。
子ども食堂では、支援金の一部を使って、オーブンレンジを購入し、とても喜んでいます。
それは、子どもたちへ温かい食べ物を、提供できるという喜びであり、自分たちの活動を思いがけない所から、支援してもらっているという喜びでしょう。
子どもたちやその家族も喜びますし、支援を始めた電力会社も、このプランに契約した人たちも、みんなが喜ぶのです。
喜びが喜びを生み、波紋のように広がるのですね。
「湘南電力」の掲げる、電力の地産地消という理念も、素晴らしいと思います。
東京のような大都市の電力を、地方の田舎にお金を渡して原子力発電を作り、放射性廃棄物の処理や放射能汚染などの問題は、地方にお任せという、現在の電力事情は問題です。
自分たちで使うものは、自分たちで責任を持って、管理なり処理なりするべきでしょう。
ところで、町の人のほとんどが、自分たちが使う電気について、全く無頓着です。
自分たちの暮らしを、自分たちの手で創り上げるという、湘南電力の発想は、本当に素晴らしいと思います。
そういう考えがあるからこそ、未来の担い手である子どもたちへの、支援にも目が向いたのでしょうね。
お金儲けばかり考えている企業には、できないことでしょう。
また、このプランに賛同する人たちが、とても多いことも、未来への希望の光のように思えます。
どんなにいいプランを作ったところで、誰も賛同してくれなければ、どうにもなりません。
これは、町の人たちが、地域の問題に目を向けているということですし、他人を思いやる気持ちがあるということです。
こうした人々の気持ちは、当然これからの政治にも、大きな影響をもたらすに違いありません。
今回話題になったのは、神奈川県小田原市の話ですが、子ども食堂は全国にありますし、同じような気持ちを持った人々は、日本中にいます。
きっと、同様の動きが、これからあちこちで、見られるようになるでしょう。
いや、もしかしたら、すでに同じようなことが、あちらこちらで始まっているのかもしれません。
暗いニュースばかりが目立ちますが、目立たない所で、このような動きがあることは、これから世の中が変わるという兆しです。
本当に素敵なニュースでした。