余生を送る動物たち
フランス北部にあるノージャン・ル・ファイユという所に、ライオンやクマ、ゾウなど、サーカスを引退した動物や、元実験動物たちが余生を送るシェルターがあると、ニュースで報じられていました。
映像には、人懐っこい動物たちが、人間にじゃれついている様子が、映されていました。
このシェルターを設立したのは、実業家のパトリック・ビオラス氏で、2500万ユーロ(約33億円)の私財を投じて作ったそうです。
フランスでは、野生動物をサーカスで利用することを、禁止することが検討されているそうで、同氏はそれに備えて、増築を計画しているとのことです。
資産家と呼ばれる人は、世界中にいますが、自分が楽しむことや、事業を拡大すること以外に、その経済力を使う人は、限られていると思います。
メディアに叩かれないよう、パフォーマンスで寄付などを行う資産家もいるでしょうが、本気で他の誰かのために、その力を使おうという人は、それほど多くないのでは、ないでしょうか。
一般の捨て犬や捨て猫、その他のペットが、どのように扱われるのかですら、関心を持たない人が多いと思います。
ましてや、サーカスや実験で使われた動物が、その後どうなるのかなど、心を寄せる人はほとんどいないでしょう。
そんな動物たちに、私財を投げ打ってシェルターを作るというのは、素晴らしいことだと思います。
単に動物が好きというだけでなく、人間のために生きて来た動物たちへの、感謝と愛おしさがなければ、できることではありません。
同じ人間に対してでさえ、冷たい人が多い中、動物たちを自分と同じ命ある存在だと、認めた行為は称賛に値するでしょう。
また、サーカスでの野生動物の禁止を検討している、フランス政府も素晴らしいと思います。
動物は人間の娯楽のために、存在するのではありません。
同じ地球に生きるものとして、その存在に敬意を払うべきでしょう。