感覚の話 その2
電話の受話器に伝わる音声というのは、電話線の向こうにある、別の電話の受話器が、拾った音声です。
向こうにある音声を、こちらで再現しているというわけです。
ということは、私たちが感じている感覚というものは、体の神経に伝えられた情報が、再現されたものだと、考えることができます。
私たちが感じている感覚とは、私たちの心の振動パターンです。
言い換えれば、感覚とは、精神エネルギーの振動なのです。
そして、それは元の情報源の持つ、精神エネルギーの振動を、再現したものなのです。
これは、全ての存在が、心と同じ性質のエネルギーで、できていると考えることが、前提になっています。
物質エネルギーと呼ばれているものも、ある種の精神エネルギーであるという考えです。
波長や振動数の違いはあっても、全ての物は、同種のエネルギーで構成されていると、考えるわけです。
そう考えると、光や音や匂いというものも精神エネルギーの一種ですし、それらを発した何かのエネルギー状態を、伝達しているものでもあるのです。
それに対して、味覚や触覚は、対象物から直接得た情報と言えるでしょう。
何かに触れている時の感覚というものは、言ってみれば、その対象物の心を、直接感じているわけですね。
木に触れてみて下さい。
そこに感じるものは、木の心の一部です。
石に触れてみて下さい。
そこに感じるものは、石の心の一部です。
空気や水を感じてみて下さい。
それは、空気や水の心の一部なのです。
気がつかなかったり、当たり前過ぎて、気に留めていないかもしれません。
でも、私たちは常に何かに触れています。
それは、私たちが常に何かの心と、触れ合っているということです。
私たちが向こうの心を感じる時、向こうも私たちの心を、感じているはずです。
自分の足に触れてみて下さい。
足に触れている手の感覚と、手に触れられている足の感覚が、わかりますよね。
何かに触れている時、その何かには、足で感じたような、触れられている感覚が、生じているはずなのです。
私たちがわからないだけで、周りにある全ての物は、私たちのことを認識しているのです。
多くの人が視覚ばかりを重視して、他の感覚に注意を向けていないと、言われています。
でも、視覚以外の感覚にも、意識を向けて下さい。
特に触覚は重要です。
そうして何かを感じている自分を、味わってみて下さい。
それは何かと、心の交流をしているということなのです。
あなたがその何かに、愛着があるのなら、その気持ちを十分に伝えてあげて下さい。
その何かは、きっと喜び、あなたに愛を返してくれるでしょう。