潜在意識を磨こう
私たちの心の本質は、無意識と呼ばれる領域にあります。
それは、物質世界とは違う世界に、あると考えて下さい。
無意識の世界から物質世界にある肉体に、心がリンクすることで、私たちが生まれるのです。
曇った窓ガラスを指でなぞると、そこに文字を書いたり、絵を描くことができますよね。
この文字や絵が、私たちが自分だと認識しているものです。
そして、指が潜在意識で、手から上が無意識です。
指は手からの指示によって動き、その動きに応じて、ガラスの表面に、文字や絵が描かれます。
それと同じように、無意識からの指示が、潜在意識に伝わり、それによって私たちの思考が、創られるのです。
ガラスに何の抵抗も特徴もなければ、指先は手からの指示どおりに、動いて行きます。
しかし、ガラスが部分的に熱いとか冷たいとか、あるいはざらざらしているとか、トゲトゲしているとか、なっているとしましょう。
そんな時は、指は手からの指示よりも、ガラスの状態に合わせて、動くはずです。
触れて痛ければ、そこから離れるでしょう。
温かくて気持ちがいいと思うと、その場所に留まろうとすると思います。
本来私たちの意識は、無意識からの指示に従って、形成されるものです。
しかし、環境の刺激や情報に目を奪われてしまうと、そちらに合わせた思考が、形成されるようになります。
それは大概の場合、無意識からの指示とは違う思考です。
つまり、本来自分が生きるべき道とは、異なる道を歩んでしまうのですね。
本来の意識は無意識にありますから、そこからの指示に反する思考で生きていると、何かが違うなと感じます。
それでも、楽しく過ごせているうちは、その違和感も無視しがちです。
ところが、状況が変わって苦しくなると、こんな生き方はおかしいと、気がつきやすくなります。
それにも関わらず、周囲から得た価値観を手放せずにいると、こんなのおかしいと思いながらも、そこから離れることができません。
そうなると、人生がますます、つらく苦しいものになるでしょう。
そこから抜け出すためには、余計な価値観を捨てる必要があるのです。
別な見方をしてみましょう。
この世界は、様々な色が集まった所だと、考えて下さい。
無意識は、この世界の中にある白い光を求めて、センサーをこの世界に送り込みます。
そのセンサーのレンズは透明で、いろんな色を確かめることができるのですが、問題が一つあります。
それは、レンズが色に染まりやすいのです。
この世界の色を客観的にとらえて、その中から白い光を見つけるためには、レンズは常にきれいでなくてはなりません。
もしレンズが赤く染まってしまうと、白い光を見つけていても、赤い光に見えてしまいます。
他の色についても、赤っぽく見えてしまい、世界全体が赤く見えるのです。
自分のレンズが赤く染まっているだけだと、気がつかなければ、世界とは赤いものなのだと、その人は受け止めるでしょう。
これが、世の中とはこんなものだ、人生とはこんなものだと、悟ったような気分になる理由です。
他の色を正しくとらえ、目的とする白い光を見つけるためには、自分のレンズが何かの色に染まっていないか、常に注意をする必要があります。
汚れて来たなと思ったら、きれいに磨かなくてはなりません。
こびりついた色は、なかなか落ちにくいかも知れません。
それでも、がんばってきれいにすると、世の中を冷静に見渡すことが、できるようになります。
そして、本当に大切なものが、何であるのかが、理解できるようになるでしょう。
白い光が見えるようになるのです。
私たちの潜在意識のレンズは、知らないうちに、いろんな色で汚れています。
自分のレンズはきれいなんだと、決めつけないで、しょっちゅう磨くことを、心掛けるのがいいと思います。