卵の殻 その4
人類は一つということは、以前にも言われて来たことです。
でも、これは言葉や理屈でしか、理解されませんでした。
それでは本当の理解とは言えません。
本当の理解とは、感覚的なものでなければならないのです。
たとえば、本当に仲のよい家族や仲間たちの関係を、言葉や理屈だけで説明できるでしょうか。
血がつながっているからとか、同じ経験を積んでいるからとか、互いに優しいからとか、いくら言葉を並べてみたところで、本当の説明にはならないでしょう。
本当に仲がよい人たちは、心がつながっているのです。
一体感を感じているのです。
そこに権利、義務などの言葉は、必要ありません。
これも、言葉でこんな風に述べたところで、一体感というものを知らない人には、通じないでしょう。
つまり、理解してもらえないのです。
これと同じで、人類は一つだと言ったところで、一体感を知らない人には、理解ができません。
でも、何等かの形で一体感を経験できると、その一体感の範囲を広げることで、人類は一つなのだと、感覚的に理解できるようになります。
そして今、そのように感じる人たちが、急速に増えて来ているように思います。
もちろん、さっぱり感じられない人の方が、まだまだ多いとは思います。
それでも、人々の間に一体感の経験が、波紋のように広がっていますから、理解できる人はどんどん増えるでしょう。
これまでこの感覚は、一部の者だけが理解するだけで、理屈が中心の人類全体には、なかったものです。
人類の大半は見えない殻に、閉じ込められていたのです。
だからこそ、この感覚が全体に広がると、知性体としての人類は、殻を打ち破って大進化を起こすでしょう。
何を考えるにも、人類は一つという理解を、その根本に持つようになります。
また、人類が一つであるならば、全ての存在も一つという、理解に到達するでしょう。
本当の理解は感覚を伴うものですから、理屈だけの世界観から、感覚的な世界観を持つようになります。
それは人類の感覚が、現在の五感から、さらにグレードアップされるということです。
言葉で地球に優しい、環境に優しいと言うのではなく、自分は地球の一部であり、自然の一部なのだと、感じるようになるのです。
今、世の中は多くの大変な事が、次から次に起きています。
それは、人類の進化すべき方向が、明らかになって来ているので、逆の方向もまた、露わになって来たということなのです。
右があれば左があるのと同じです。
人類は今、大進化を始めようとしているのです。
そして、人類のエネルギーに新たなエネルギーを加えているのは、現在の人類よりも、はるかに進歩している知性でしょう。
それは異星人かもしれませんし、高次元世界の存在かもしれません。
いずれにしても、世界に存在している知性体は、人類だけではなく、もっともっと優れた知性体が存在しているのは、間違いないでしょう。
何故、そんな知性体が、人類の大進化に力を貸そうとするのでしょうか。
その答えは簡単です。
それは、彼らが全ては一つだと、理解しているからに、ほかなりません。