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地球へのやさしさ

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地球にやさしい
環境にやさしい

今、流行の言葉ですね。

この言葉のきっかけになったのは、地球温暖化だと思いますが、最近よく言われるのが、ナノプラスチックという、プラスチック分子の弊害です。

 ※ds_30さんによるPixabayからの画像です。

海に溶け込んでいるナノプラスチックは、オキアミなどの小さな生き物に、取り込まれます。

そのあと、オキアミなどを食べる生き物に取り込まれ、その生き物を食べる、もっと大きな生き物に取り込まれます。

食物連鎖の上位に行くほど、ナノプラスチックは濃縮されて、多量に取り込まれるということです。

天然マグロは食物連鎖の上位にいますので、ナノプラスチックの含有量が、とても多いそうです。

そして、それを今度は人間が食べるのですから、知らんぷりをして放置していたプラスチックが、巡り巡って人間の元へ戻って来るというわけです。

だから大変ということなのでしょうけど、ちょっと違うような気がします。

温暖化にしてもそうですが、このままでは人類はどうなるのか、ということで対策を訴えます。

南極の氷が溶けて、海水面が上昇すると、海岸近くにある大都市は、ほとんどが水没すると言われると、これは何とかしないと、と考えるのでしょうね。

 ※Juanlu FajardoさんによるPixabayからの画像 です。

環境のことに、全然見向きもしない人の目や耳を、この問題に向けさせるためには、こういう訴え方をしないと、仕方がないのでしょう。

だから、地球にやさしい、環境にやさしい取り組みをしようとなるのでしょうが、やはりちょっと違和感を覚えてしまいます。

仕方がないのはわかっていますが、本当はもっと突っ込んだ見方が、できるようになってくれればと願う次第です。

何が言いたいのかと言いますと、自分たちに悪影響があるから、やめましょうという考え方は、正しい考え方ではないということです。

また、地球に優しい、環境にやさしい、エコです、と言えば、その企業は優良企業ということになり、企業の宣伝になるのも、何か間違っています。

日本政府は脱炭素化を打ち出しましたが、そのために原子力発電所を復活させろという声が、出て来ているようです。

温暖化は地球に優しくないけれど、放射能汚染は地球に優しいとでも、言いたいのでしょうか。

結局は、自分たちの金儲けのことしか、考えていないのです。

温暖化にしても、プラスチック問題にしても、根っこは同じです。

金儲けになることには手を出すけれど、ならなければ知らんぷりなのです。

 ※Anastasia GeppさんによるPixabayからの画像です。

やさしくするという場合、その対象となるのは、生命のあるものであり、やさしくされることに反応できるものというのが、前提になると思います。

ですから、通常は人間に対して使う言葉です。

人間以外で使うとすれば、動植物まででしょう。

生き物としては認められていない、石や材木、山や海や川、空に浮かぶ雲や、燃えさかる炎などには、使いません。

しかし、地球や環境にやさしい、と言うのです。

この言葉を本気で使うのであれば、地球や、環境を構成している全ての存在を、生命のある存在と認めなくてはなりません。

人間とは全く異なる形態の存在だけれども、それでも生命があり、何かを感じているのだと、理解する必要があるのです。

また、地球や環境にやさしくするという言葉を使う時、地球や環境を、人間とは別物のように見ています。

これは宇宙を研究し、宇宙を語る学者が、自分自身が宇宙の一部であることを、忘れているのと同じです。

実際は人間も地球の一部であり、環境の一部なのです。

つまり、地球にやさしい、環境にやさしい、というのは、自分たち自身にやさしい、という意味になるのです。

 ※Pete LinforthさんによるPixabayからの画像です。

下らないことで争ったり、国同士で戦争をしたり、こんなことをしていて、地球にやさしい、環境にやさしい、もないでしょう。

また、自分のことを無価値だと決め込む人も、地球にやさしいという言葉は使えません。

地球にやさしくする、地球を大切にするというのは、自分にやさしくする、自分を大切にするとうことと、同じ意味なのです。

全ては一つなのです。

別のものに見えたとしても、みんな根っこは同じなのです。

自分に影響があるかどうかなど考えているうちは、やさしさは偽物です。

自分と他の存在が一つであると感じている場合、その存在のために行動することで、自分がどうなるのかなど考えません。

自分の大切な人のために、我が身を顧みずに、行動するのと同じです。

お金が儲かるかどうかを考えるなど、愚の骨頂でしょう。

それに、温暖化や環境汚染によって、人間や生き物が暮らせない状態になったとしても、地球はそんなことで潰れるほど、やわではありません。

人間には想像もつかないような年月をかけて、地球は自分自身を浄化するでしょう。

 ※WikiImagesさんによるPixabayからの画像です。

人間は地球や自然の管理者を気取っていますが、とんでもない話です。

こちらが地球や自然のお世話になり、生かしてもらっているのです。

子供が親に、好き勝手をさせてもらっているのと同じです。

その子供が他の所で、親の世話は大変だと、偉そうに喋っているようなものです。

地球に人間の勝手な世話はいりません。

そんなことではなく、自分が地球の一部であり、自分と他の存在たちは、一つなのだと理解してもらうことを、地球は望んでいるに違いありません。

そうなれば、地球にやさしくなどと、無理に叫ばなくても、誰も地球を汚すような真似は、しないはずです。