心と体 その3
体が不調を起こすのは、全てが心のせいだとは言えません。
まず、怪我は外部からの影響であり、心は関係ありません。
もっとも、そのような状況を作り出したことには、心が関係している可能性はあります。
しかし、怪我そのものは、外部エネルギーによって生じるものであり、心が傷口を創るわけではありません。
同じように、紫外線による皮膚癌や、ウィルス感染による病気、これらも直接的には、外部要因によるものです。
ただ、これらに対処するべき免疫機能が、うまく働かなかったという点においては、心の状態が関係しているのかもしれません。
極度の放射能を浴びた場合、体はこれに対処できません。
これは手の着けようがない、重症の怪我を負ったのと、同じことだからです。
このように、何もかもが心の状態によって、引き起こされるわけではありません。
また、心が通常は対処できないこともあるのです。
また、学ぶべき人生の目的のため、わざと病気の体に生まれて来る、ということはあると思います。
それは心の状態とは関係のないものであり、特殊な例だと言えるでしょう。
一般的に言えば、基本的に体は、病気にならないようにできているのです。
ほとんどの病気は、体が本来の機能を、果たせなくなったことの結果です。
光がある所に手をかざせば、そこに影ができます。
この影が病気なのです。
影を恐れたり、影の前で騒いでも、仕方がありません。
影を消すためには、手をひっこめればいいのです。
光そのものが、影になることはありません。
それと同じで、私たちの体も、本来は病気になることはないのです。
この世を去る時期が来て、エネルギー的に弱った状態は、病気とは言いません。
それは寿命と言うのです。
まだ、本来の寿命が来ていないのに、体のエネルギーに余計なものを突っ込んで、そこに影を作るから、それが病気として表現されるのです。
その影を作るのは、精神エネルギーの乱れかもしれません。
あるいは、食事や水、空気の汚れなど、物質的生活環境の影響かもしれません。
ただし、それらの生活環境を選ぶのは、やはり心ですから、心は間接的ではありますが、影響しているのです。
逆に考えると、病気になった時に、自分のどこに問題があるのかを見直す、いい機会になります。
心が乱れているからなのか、生活環境が悪いのか、よく考えてみるといいでしょう。
原因がわかったとしても、その原因を手放せないとすれば、それは生きるための価値観が、歪んでいるということです。
自分は何のために生きているのか。
自分にとって、本当に大切なことは何なのか。
今していることや、今の環境は、自分が生きることよりも、大切なのか。
そんなことを考えて、本来の自分の姿、本来の自分の生き方を、取り戻すようにしたならば、いつの間にか、病気というエネルギーの影は、消え失せていると思います。