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子供たちの心

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とても素敵な記事がありました。

難病で視力を失った男性を、小学生の子供たちが、助け続けていたという話です。

和歌山市職員の山崎浩敬さんは、網膜色素変性症のため視力を失い、2005年から白杖を使いながら、通勤するようになったと言います。

初めは家族が付き添ってくれていましたが、2008年からは一人でのバス通勤になりました。

しかし、目が見えないため、バスの乗り口を探すのも、大変苦労されたようです。

ところが、一人でのバス通勤を始めて、一年ほど過ぎた頃、「バスが来ましたよ」と女の子の声がしたそうです。

「乗り口は右です。階段があります」と言いながら、山崎さんを座席に案内してくれた女の子は、それから毎日、学校を卒業するまで、山崎さんを助けてくれました。

女の子は、和歌山大付属小学校の児童で、山崎さんと同じバスで通学し、降りる停留所も同じだったそうです。

女の子が学校を卒業したあとも、別の女の子が山崎さんを助けてくれるようになり、その子が卒業しても、また別の子が助けてくれました。

子供たちの間で、山崎さんの力になるということが受け継がれ、また、子供たちとのお喋りが、山崎さんの楽しみとなりました。

それは、誰かに助けてもらったということ以上の、大きな喜びとなったでしょう。

その喜びは山崎さんにとって、思いがけない贈り物になったと思います。

喜びは相手にも広がります。

そのことは子供たちにとっても、思いもしなかった、お返しとなったに違いありません。


山崎さんは、自分を助けてくれた女の子たちが、全部で四人だと思っていました。

しかし、和歌山大付属小学校で、女の子たちに再会した時に、山崎さんが知らされた話では、他にも山崎さんを、助けてくれていた子供たちが、いたということでした。

そのことに山崎さんが、気がつかなかったのは、その子供たちが、そっと山崎さんを助けていたからでしょう。

自分が知らないところで、たくさんの子供たちが、助けてくれていたのだと知り、山崎さんはとても感激した様子でした。


思い切って行動を示す優しさもあれば、目立たないところで、そっと向けられた優しさもあります。

どちらも本当に素敵なことです。

そのような優しさを示すことができたのは、子供の心が素直で、純真だからなのかもしれません。

こういう子供たちに恥じないように、大人である私たちも、人に優しい気持ちを、持ち続けたいと思います。

そして、目に見える優しさ、目に見えない優しさの双方に、これからもしっかりと、目を向けて行きましょう。