無添加住宅
今日、無添加住宅を売り物にしている、工務店さんからお話を聞くことができました。
無添加住宅って何?
そう思われた方は、多いと思います。
食品であれば、無添加と書かれると、防腐剤や着色料などの化学物質が、添加されていないのだと、わかります。
では、住宅の無添加とは何でしょうか。
それは全ての建材に、天然素材を使っているというものです。
一般的な家は、壁材は塩化ビニールの壁紙でできており、火事が起こると有毒ガスを発生しします。
火事で亡くなる方の大半は、焼け死ぬというより、この有毒ガスを吸って死ぬそうです。
また、この壁紙を貼り付ける接着剤は石油製品で、普通の状態で化学物質を、室内に放出しています。
最近の家は、機密性が高いため、室内に化学物質が、充満してしまいます。
それが原因で、シックハウス症候群という、体調不良になる方もいるのです。
実際、無添加住宅というのは、シックハウス症候群の方の悩みに、応えるために開発された住宅なのです。
無添加住宅では壁材として、昔から使われている漆喰を、採用しています。
漆喰の成分は石灰なので、火で熱しても燃えませんし、有毒ガスも発生しません。
それに壁紙を接着剤で、貼る必要がありませんから、シックハウス症候群を起こしません。
ドアや床などに使われる合板には、ベニヤ板を貼り合わせるため、多量の接着剤が使われています。
無添加住宅では、合板を使用しないので、ここでも化学物質の放出を防ぎます。
一般の家では、水こぼしなどの対策として、床板にはウレタンを、塗布されている事が多いそうです。
しかし、このウレタンも石油化学商品で、床暖房を入れたり、床の上にホットカーペットを敷いたりすると、化学物質が出て来ると言います。
無添加住宅ではウレタンは使用せず、代わりに米ぬかのような、天然素材のオイルを、使っているそうです。
これらは当然、化学物質を放出しません。
接着が必要な所には、米のりや、にかわを使います。
これらは食品から作られていますから、安全です。
防腐・防カビ対策には、人工の防腐剤や防カビ剤を使わず、柿渋を使います。
このように、徹底して化学物質を除いた家を、建てようと言うのが、無添加住宅の目的なのです。
健全な暮らしが欲しくて、食事に気をつけたり、自然に囲まれた所で暮らそうと、考えたりする人は、少なくないと思います。
それなのに、自分たちの拠点となる家が、化学物質で汚染されていたのでは、元も子もありません。
せっかくの苦労が台無しです。
今日はそんな大切な話を、聞かせてもらう事ができました。
しかし、自分の家を持てる人は、それほど多くはないでしょう。
特に若い人たちは、日々の暮らしに精一杯で、高額な家を購入するだけの余裕は、持てないのが現状だと思います。
ところがアパートなどの借家では、今のところ、無添加住宅は皆無のようです。
これでは、いくら無添加住宅の良さがわかったところで、どうしようもありません。
けれども、シックハウス症候群の人にとっては、命が懸かった問題なのです。
また塩化ビニールの壁紙や天井材を、漆喰に変えるだけで、火事による死者は、激減すると言います。
塩化ビニール材の使用禁止を、法律で禁止できればいいと思います。
でも、それよりもいいのは、住宅メーカーが自主的に、塩化ビニール材を使うのをやめることです。
住宅を提供する事は、家を購入する方に、最高の暮らしを提供する事だという、プロとしての誇りを、メーカーの方には持ってもらいたいと思います。
家が売れたら、その後、お客がどうなろうと、関係ないという姿勢は、許されません。
自分が購入した家の影響で、具合が悪くなったら、どうなのか。
これを基本にした建材選びを、して欲しいですね。