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体外離脱体験2

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 ※Gerd AltmannさんによるPixabayからの画像です。

学生の頃、ひょんなことから、体外離脱を体験した私は、体外離脱を意図的に行えないかと、体外離脱について書かれた本を参考に、何度か挑戦をしました。

どういう時に体外離脱が、起こるのかと言うと、眠りと覚醒の中間状態です。

体は眠っているけれど、意識はまだ、目覚めている状態の時です。

金縛りの状態に似ていますが、金縛りの時は、緊張してしまうせいでしょうか、体を抜け出すことはできません。

意識ははっきりしているのに、肉体は動かせませんし、意識の体も動きません。

これは自分の意図に反して、そんな状態になってしまうため、驚いてしまうのでしょうね。

自分で体を抜け出そうとしている時は、わかってやっていますので、似たような状態になっても、気持ちは落ち着いています。

 ※愚木混株 Cdd20さんによるPixabayからの画像です。

どんな風になるのかと言うと、最初は足の辺りが、軽くビリビリと、痺れたような感じになるのです。

でも、長時間正座をして痺れるのとは、違います。

そんな苦痛な感じはありません。
ただ、軽くビリビリした感じがするだけです。

正確に言えば、痺れているというよりも、細かく振動しているような、感じかも知れません。

その振動している部分は、通常の感覚が、麻痺した感じです。

そこで驚いたり、慌てたりすると、我に返ると言いますか、ビリビリ感は消えてしまい、普通の状態に戻ってしまいます。

それは、野生の動物や鳥たちが、安全かどうか確かめながら、少しずつ近づいて来るような感じです。

ちょっとでも動いて、驚かせてしまうと、さっと逃げ出して、姿を消してしまいます。

とにかく、ビリビリした感じが起こったら、そのまま放置して、様子を見ておきます。

すると、ビリビリ感は次第に、上の方へ広がって来ます。

足から太もも、腰からお腹、胸から背中と、ビリビリした感じが広がるのです。

ここで体を、抜け出そうとしてはいけません。

まだ機が熟していないのに、体を抜け出そうとすると、意識の体ではなく、本物の体が動いてしまいます。

肉体の体が少しでも動いたら、ビリビリ感は瞬時にして、消えてしまいます。

一度消えてしまったビリビリ感が、もう一度戻って来るのは、むずかしいのです。

慣れている人なら、そんなことはないかも知れません。

でも、素人の場合、そこで完全に目が覚めてしまうか、再挑戦しているうちに、眠ってしまうことの方が、多いと思います。

とにかく、ビリビリ感が首の辺りまで広がって来ても、知らんふりをして、放っておきます。

すると、ビリビリ感は頭の先まで広がります。

足先から頭のてっぺんまで、すっぽりとビリビリ感に包まれた感じになるのです。

この時も、まだ動いてはいけません。

早く体外離脱を経験したくて、動いてしまうと失敗してしまいます。

この時に抜け出そうとすると、一瞬、体を抜け出せたような、感じにはなるのです。

でも、意識のどこかが肉体に癒着していて、完全に抜け出すことはできません。

背中に強力なゴムでもつけられているみたいに、すぐに引き戻されておしまいです。

肉体と意識がビリビリ感に完全に馴染んで、熟した状態になるまでは、ピクリとも動いてはいけないのです。

 ※WikimediaImagesさんによるPixabayからの画像です。

何度も同じような失敗を繰り返しながら、私は完全に肉体から、意識を離脱させることに成功しました。

その時の感覚は、初めて離脱した時と比べると、もっとリアルな感じでした。
本当に離脱したのか、疑わしくなるほどです。

部屋にはスチールの机があるのですが、その机に触れることができました。

幽霊のような存在になっているのであれば、手が突き抜けるはずです。

でも、手は突き抜けず、机に触れてその形状を、確かめることができたのです。

しかも触った感触が、肉体の手で触れるのと、全く同じでした。

机は硬くてツルッとしていて、冷たいのです。

おかしいなと思いながら、机を押してみましたが、硬くて手は突き抜けません。

私は窓から、外へ出てみようとしました。

でも、やはり窓が邪魔です。

それでも、意識の体だから、必ず突き抜けて行けるはずだと、私は思いました。

そこで、水の膜を抜けるような、イメージで挑戦してみました。

すると、あららという感じで、体は窓を通り抜けました。

その時は明け方で、外は明るくなっていました。

体外離脱の練習を、私はよく寝入りばなにしていました。

でも、そのまま眠ってしまうことが、ほとんどでした。

一方で、明け方にふと目が覚めた時は、チャンスでした。

そのまま動かないでじっとしていると、あのビリビリ感が現れることが、あったのです。

そして、この時もそんな明け方でした。

 ※kakkikoさんによる写真ACからの画像です。

私は窓の外にある、一階の屋根瓦の上に、裸足で立っていました。

普段見るのと同じ景色が、目の前に広がっています。

外には、まだ誰もいませんでした。

そよ風が気持ちよく、本当に肉体で、そこに立っているかのようです。

感覚的には、普段の世界と何一つ変わりません。
本当に体外離脱をしているのか、疑うほどでした。

その時に、ふと私は視線を落とし、そこに立っている、自分の姿を見たのです。

瓦の上に立つ足は、裸足です。
その上には、寝る時に来ていたはずの、パジャマがありません。

私は何と、パンツ一枚の姿で、屋根の上に立っていたのです。

感覚は肉体の時と、何も変わりません。
体外離脱をしないで、そこに立っているかのようでした。

私は焦りました。

自分では、体外離脱をしたつもりでした。
でも、もしかしたら体外離脱を、していないのかも知れない、と思ったのです。

窓を突き抜けて、外へ出たはずなのです。

だけど、本当はそれは妄想で、実は普通に窓から、外へ出ただけかも知れません。

そう考えると、どうしようとパニックになりました。

だって、そうでしょう?
パンツ一枚で、早朝の屋根の上に、立っているわけですよ。

もし誰かに見られたら、完全に頭がいかれていると、思われてしまいますよね。

下手をすれば、そこに住めなくなってしまいます。

これは大変だ、早く部屋に戻らないと、と焦っているうちに、はっと気がつくと、私は蒲団の中にいました。

私はちゃんと蒲団を、かぶって寝ていました。

蒲団を剥いでみると、パジャマもちゃんと着ています。

しまった、やっぱり体外離脱ができていたんだと、後悔したけど、後の祭りでした。

もう完全に目が覚めてしまったので、どうにもできませんでした。