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求められる対策とは1

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 ※MediamodifierさんによるPixabayからの画像です。

コロナ騒ぎの影響で、2020年4~6月期のGDP (国民総生産) が、戦後最大の落ち込みになりました。

GDP (国民総生産) とは、一定期間内に国内で生産された物や、サービスの付加価値のこととされています。

つまり、生産物やサービスで、どれだけ儲けたかということです。

それは国民が消費した金額と、国内企業が投資したお金、それと政府が使ったお金と、貿易の輸出額から、輸入額を差し引いた金額を、合わせたものだそうです。

GDPが落ち込むというのは、主に国民がお金を使わない、企業が投資しない、ということを意味しているのでしょう。

要するに、景気が悪いということです。

コロナ問題は日本だけでなく、世界規模のことです。

日本だけが頑張ったところで、外国企業との取引が、元通りになるのは、むずかしいと思われます。

外国と取引がある企業は、経営が困難になる所が増えるでしょう。

そうなると倒産するか、倒産を免れるために、人員を削減したり、投資を控えたりします。

クビにならずに済んだ人も、給料が減ったり、ボーナスが出なくなったりするかも知れません。

直接外国との取引がない所が、安心というわけではありません。

自分の取引先が、外国と提携していた場合、そこが潰れるという事は、有り得るのです。

そうなると、外国とは関係ない自分の所が、連鎖倒産する可能性があるのです。

ご存知のように観光業や飲食業も、コロナ対策での外出自粛、あるいは外国人観光客の激減で、大打撃を受けています。

スポーツ観戦やコンサートは、観客数に制限がかけられていて、未だに客席を満席にするわけにはいきません。

将来的な不安から、個人も企業も、お金を手元に、残して置こうとします。
それが消費を抑え込み、さらなる景気悪化へと、進んで行きます。

急ぎの物や必需品でなければ、購入は後回しにされてしまいます。
物作りを生業にしている人たちは、廃業の危機にあると言えます。

 ※fernando zhiminaicelaさんによるPixabayからの画像です。

この状況を打破するためには、コロナへの不安が、払拭される必要があるでしょう。

人が安心して、自由に行き来できるようになるまでは、社会の活気は、取り戻せないと思います。

それは日本だけでなく、世界中の国で言えることなのです。

しかし、コロナが解決したとしても、新たに他の感染症が、広まる可能性はあります。

そうなると、また元の制限された暮らしを、余儀なくされることになるでしょう。

その不安は、コロナ騒ぎが落ち着いても、ずっと残り続けます。

ところで、コロナ騒ぎの前の状況が、本当によかったのかと問われると、そうとも言えないと思います。

コロナ騒ぎの前は、誰もが安定に幸せな暮らしを、送れていたでしょうか。

一度貧困に陥った人は、そこから脱却するのは、容易なことではありませんでした。

元々家が貧困であれば、そこの子供は何かを学ぶにしても、遊ぶにしても、他の家庭に比べて、大きく制限されていたはずです。

それでも受験戦争は、子供たち全員を、巻き込んでしまいます。

塾に通うことの善し悪しは別にして、経済的に余裕がなければ、塾に子供を通わせることはできません。

子供の将来のために、スポーツや音楽、あるいは英語や、コンピュータープログラムなどを、学ばせたいと親は思うでしょう。

でも、やはりお金がなければ、そんなことも不可能です。

それでもがんばって勉強して、奨学金をもらったり、アルバイトをしてお金を貯めたりして、目指す学校へ行く子もいると思います。

しかし、学校を卒業して就職となると、何十もの企業の面接を受けても、内定をもらえないかも知れません。

何とか仕事が決まっても、自分に合わない仕事だったり、大学の勉強とは全然無関係だったり、あるは明らかなブラック企業だったりと、困難にぶつかることも多いでしょう。

貧困のために、学校へ行けなかったり、就職先で上手く行かなかったりして、自信を喪失する子も、少なくないと聞きます。

これからの社会を、担って行く若い人たちが、そのような状況にあった社会が、いいと言えるのでしょうか。

 ※Gerd AltmannさんによるPixabayからの画像 です。

若い人たちの話だけではありません。

長年頑張っていた方の仕事や職場が、コロナ騒ぎを含めた災害によって、だめになったことも少なくないでしょう。

特に、ここ何年もの間、日本は多くの災害で、様々なものを失って来ました。

それでも、期待したような支援は、受けられません。

基本的に、全て個人の責任で、という事になっているからです。

都会にばかり人が集中し、過疎地では集落が、消えて行く所もあります。

しかし、何でもあるはずの都会でも、急病の時の病院のたらい回しや、子供を預ける保育所不足、お年寄りの介護施設不足など、問題は山積みです。

親の介護ができる者がおらず、今の仕事を辞めて、親元で暮らす人もいます。

でも、親の介護をしながらできる仕事は、なかなか見つかりません。

やっと見つけた仕事も、相当無理をしなければ、続けることができません。

その結果、体を壊すと、親の介護どころか、自分の事もできなくなってしまいます。

これまでの社会は、多くの人がとりあえず、何とか生きて来たというだけです。

それほどよかったと、言うわけではありません。

実際は、何とか生きる事ができない人も、たくさんいるのです。

その事実は、社会から見て見ぬふりをされていた、というのが本当でしょう。

そういう事が見えないようにしながら、何とか暮らして行ける社会のように、見せかけていただけなのです。

それでも、無事に生きて来た人にとっては、コロナ騒ぎで仕事を失いそうな今よりも、過去の世界の方が、いいように見えるでしょう。

でも本当は、過去にすがるのではなく、もっといい未来を創る方向へ、舵を切った方がいいのです。

 ※Rudy and Peter SkitteriansさんによるPixabayからの画像です。