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歴史を感じよう

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松山市の中心には、勝山(かつやま)と呼ばれる小さな山があります。
その山の頂上には、江戸時代末期に造られた松山城がそびえています。

ビルなどの建物の陰に入らない限り、この城は市内のどこからでも見ることができる、街のシンボルです。

 ※松山城

山の頂上へ登るには、ロープウェイかリフトを利用できますが、歩いて登ることもできます。歩くと頂上まで、20分から30分ぐらいでしょうか。

たまにしか登りませんが、歩いて登ると、身体中を血がめぐるのがわかります。
道は木々に囲まれていますから、森林浴もできて清々しい気分になれます。

散歩がてら歩いて登る人も、結構いらっしゃるんです。
全然顔見知りじゃないのに、すれ違う時に挨拶をしてくれるのが、嬉しいですね。

城へ登る道は全部で4本あります。

ロープウェイやリフトは、山の東側にあります。
観光客が利用するので、こちらが城山の玄関口になっています。

ここにはロープウェイに併走する、登城道があります。
この道は、城を建築する時の、資材を運んだ道だそうです。

山の南西部の中腹には、お殿さまが暮らしていた、二の丸があります。

そこから登る道もあるのですが、これがお殿さまも利用した、本来の登城道です。

他の二本は、明治時代になってから、造られたそうです。

昔のお侍たちが通った道を楽しむには、二の丸から登る道が、お勧めです。

 ※松山城ホームページより

道を登りながら、当時の城に想いを馳せると、3D映画の映像のように、現在と当時の時空間が、重なって存在しているような気がします。

松山城に限りませんが、お城に登る機会がある方は、天守閣から街を見下ろしてみて下さい。
そして、同じように城下町を見下ろしている、お殿さまを思い浮かべてみて下さい。

自分の隣で、お殿さまが街を眺めているのです。
時代が異なるので、お殿さまはあなたの存在には、気がつきません。

あなたが隣にいるのも知らずに、今日もええ眺めじゃの、なんて言うのです。
面白いでしょ?

今度は、お殿さまと自分を、重ね合わせてみて下さい。
あなた自身が、お殿さまです。

お殿さまになったあなたには、ビルが建ち並んだ街ではなく、木造の屋敷や家が並ぶ、昔の城下町が見えるかも知れません。

その街が、よもやビルだらけの街になっているとは、お殿さまは思いもしません。
いつまでも、ずっと同じ風景がそこにあると思っている、お殿さまの気持ちを、味わってみて下さい。

 ※Gerd AltmannさんによるPixabayからの画像です。

過去は既に終わって、消え去ったもの。
未来はこれから生じうる、不確定なもの。
確かに存在しているのは、今というこの瞬間だけ。

大概の方は、世界をこんな風にとらえていると思います。
だけど、本当のことを知っている人はいません。

自分にとって確かなのは、今この瞬間です。
本当に存在していると言えるのは、常にこの瞬間だけでしょう。

しかし、昔のお殿さまにとっても、お殿さまが感じた瞬間こそが、現実なのです。
私たちから見れば、過ぎ去った過去のことですが、お殿さまにとっては今なのです。

また、お殿さまからすれば、私たちの今は、何もわからない未来のことです。
どうなるかわからないので、ないのと同じです。

でも、私たちはここに存在しています。
今という瞬間を、生きているのです。

私たちもお殿さまも、それぞれの瞬間を生きていて、確かに存在しているのです。
ただ、お互いの瞬間を、共有できないだけのことなのです。

同じお城に、私たちも存在しているし、お殿さまも存在している。
存在している時代が、それぞれ違うから、お互いがわからないだけ。

そう考えると、全ての瞬間というものは、今ここに同時に、重なって存在していると、言えるのではないでしょうか。

私たちもお殿さまも、それぞれの時代の瞬間瞬間を、現実として体験しているのです。
そして、その瞬間というものは、全て重なって存在しているわけです。

それは光の波長を、体験しているようなものです。

 ※MonsterkoiさんによるPixabayからの画像です。

光をプリズムに当てると、七色に分かれます。
虹をイメージしてもらっても、構いません。

それぞれの色には幅がありあす。
たとえば赤と言っても、波長の違いによって、微妙に赤の色具合が変わります。

それは他の色についても、同じことが言えます。

お殿さまが赤い色の波長を、順番に経験しているとしましょう。
私たちは緑色の波長を、順番に経験しているとします。

それぞれは違う色、違う波長にいますから、お互いを知ることはありません。
でも、どちらの色も重なって、白い光の中に存在しています。

こんな感じです。
どうでしょうか?

時間や瞬間というものは、こういう事ではないでしょうか。

では、自分自身の過去や未来というものは、どうなっているのだろうと、考えたくなりますよね。

それについては、自分というものについて、考える必要があります。
その話は、またの機会にしましょう。

それよりも、過去も未来も、今この瞬間に、あなたと一緒に存在していると考えると、面白いでしょう?

そんなの有り得ない、信じられないなんて思わないで、素直に想像してみて下さい。

固定観念から離れると、あなたの心は自由になります。

時空を超えて、他の時代の人物に、直接出会うことは、できないかも知れません。
だけど、全てはこの瞬間、ここにあるのです。

もしかしたら、無意識の部分で、過去の人物とつながることは、できるかも知れません。
それは、あなた自身の過去や未来の自分でも、言える事です。

 ※Pixabayのスポンサー画像です。

過去や未来の自分が、この瞬間に存在していて、無意識の部分でつながっている。
じゃあ、自分ってどんなものなの?

そんなことを、考えたくなるでしょうが、それについては、ここではお話しません。

ここで伝えたいのは、歴史を感じるということなのです。

それはただの想像や妄想なのではありません。
この瞬間も存在している過去の世界を、無意識を通して感じ取ることなのです。

そして、単に出来事を覚えるのではなく、当時に生きていた、私たちと同じ人々の息づかいを、感じ取るということです。

それは、現在や未来においても、人の気持ちに共感する力に、つながることなのです。

 ※Thanks for your Like • donations welcomeさんによるPixabayからの画像です。