ブロッコリーの芋虫
イギリスのサム・ダーラストンさん(27)という方の、記事がありました。
この方はテレビやラジオで、レポーターを務めてらっしゃるとのことでした。
サムさんはブロッコリーが大好物で、スーパーから買って来たブロッコリーを、調理しようと袋から出したところ、そこに芋虫がいるのを発見しました。
さらに別の袋から、6匹の芋虫が見つかり、サムさんは全部で7匹の芋虫を、そのまま育てることにしたと言います。
サムさんは芋虫の一匹一匹に名前をつけ、その成長する様子を公表したところ、多くの人たちから、応援の言葉が届けられたそうです。
芋虫は、初めに一匹がサナギになると、それに続いて、次々とサナギになり、順番にモンシロチョウへと、姿を変えて行きました。
初めは喜んでいたサムさんですが、次々にモンシロチョウたちが、旅立って行くにつれて、寂しくなったと言います。
最後の一匹が旅立った時には、すごく悲しかったそうですが、また芋虫を育ててみたいという、気持ちになったそうです。
自分の世話をしてくれた、サムさんのことがわかるのか、モンシロチョウはサムさんが手を伸ばすと、そこへ飛んで来て留まったと言います。
私はこの話のここの部分に、特に心が惹かれました。
自分を愛してくれる人の思いが、昆虫にも伝わるのですね。
学者たちは人間を、生物の頂点の存在として、考えがちです。
それは知性あるものが、最高のものだという、価値観によるものです。
そして、その知性の証を脳に求めます。
そのため、脳が身体の割に小さな生き物ほど、下等な存在として決めつけるのです。
脳を持たない植物や微生物など、生きているだけで、何もわからない存在だと、考えているのでしょう。
しかし、生き物と直に触れ合う人々は、そうは思いません。
日本では昔から、一寸の虫にも五分の魂と言います。
小さく弱い者にも、それ相当の意地や根性がある。
だから、どんな相手でも侮ってはならない。
という、たとえです。
このたとえの前提にあるのは、どんなに小さな生き物にも、心があるのだという事です。
昔の人は、小さな生き物にも、心の存在を感じていたのでしょう。
今でも、生き物に関わっている方であれば、同じように感じるのはないでしょうか。
学者は、自分が知っている理屈だけで、理解しようとします。
でも、それでは本当のことは、わからないと思います。
同じ地球に暮らす生き物と、心を通わせられるのは、どれだけ素晴らしいことでしょうか。
そして、その事をサムさんは、多くの方とシェアできたと言います。
これも、とても素敵なことだと思います。
今の地球に必要なのは、こういう想いの広がりなのです。
とてもいい記事に巡り会えたことを、感謝します。