夢中になれること
一昨日、将棋の藤井聡太七段(17)が、棋聖のタイトルを取りました。
史上最年少の17歳で、タイトルを獲得したと、日本中が大騒ぎになるほどの、快挙でした。
過去には、将棋のことを考えていて、ドブに落ちたり、電信柱にぶつかったことが、あるそうです。
ほんとに将棋が、好きなんだなと思いました。
藤井新棋聖は、電車も大好きだそうで、将棋と出会っていなければ、将来の夢は、電車の運転士だったと言います。
好きなことに、はまり込んでしまう性格のようなので、もし将棋の世界に、足を踏み入れていなければ、きっと電車の運転士になる道を、まっしぐらで進んでいたことでしょう。
藤井新棋聖の師匠である、杉本昌隆八段(51)は、愛弟子のタイトル獲得を、心から喜んでいる様子でした。
一方で、今度は自身が、藤井新棋聖に挑戦したいと、プロ棋士としての、熱い気持ちを語っていました。
藤井新棋聖は子供の頃から、杉本昌隆八段に弟子入りし、将棋の腕を磨いたそうです。
杉本八段はそんな弟子たちから、月謝を取らなかったそうです。
その理由は、月謝を取ると、自分は将棋を教えようとするし、弟子は将棋を教わろうとしてしまうので、それを避けるためと言います。
つまり、教えてもらうという姿勢を、持つのではなく、自ら学ぶという姿勢を、持って欲しかったそうなのです。
しかも、お金を取らない上に、弟子たちの食事の費用は全て、師匠である杉本八段が出したそうです。
私はこの話に、杉本八段は本当に、素晴らしい人だと思いました。
そして、本当に将棋を、愛している方なのだなと知りました。
この師匠の姿が、弟子たちに与えたものは、計り知れないと思います。
藤井新棋聖も、タイトルが取れたことで、師匠に恩返しができたと、語ったそうです。
師匠も素晴らしいし、師匠の想いをきちんと受け止めている、藤井新棋聖も素晴らしいです。
藤井新棋聖の活躍や、今後も別のタイトルを、獲得して行くであろう期待感は、子供たちの間に、将棋ブームを巻き起こすでしょう。
杉本八段の優しさもまた、子供たちの憧れとなるに、違いありません。
藤井新棋聖や杉本八段に限りませんが、自分が好きなものに打ち込んで、懸命に精進する姿は、見る者の心を感動させ、奮い立たせてくれます。
また、同じ世界を歩もうとする者たちを、思いやる気持ちは、そこへ飛び込むことを、躊躇している人の背中を、優しく後押ししてくれます。
世の中には、いろんな仕事や趣味、遊びがあります。
その中で興味を感じたことには、上手く行くかどうかなんて考えず、がむしゃらに挑戦して欲しいと思います。
その世界のトップになるのを、目標にするのもいいですが、その世界を堪能することを、目的にしてもいいのです。
とにかく、自分が夢中になれるものを、持つということ。
これが人生において、大切なことなのです。
日本人は社会に出ると、自分がやりたいことを、諦めたりやめてしまう人が、多いように思います。
忙しい、そんな暇はない、経済的に厳しい。
そんな風に、いろいろ理由をつけて、やりたい事を後回しにしがちです。
確かに、やらないといけない事は、優先的にやればいいでしょう。
でも本当に、それはやらないといけない事なのか、という事は再考してみるべきです。
自分で勝手に、やらないといけないと決めつけて、自分を忙しさで、がんじがらめにしているのかも知れません。
どうせ、やったって大した事はできない、やるだけ無駄だと、思う人もいるでしょう。
そういう人は、トップを狙う事ばかり考えて、楽しむ事を忘れているのだと思います。
楽しくない人生より、楽しい人生の方が、いいと思いませんか。
人生を楽しくするためには、楽しいと思える事を、遠ざけてはいけません。
いろんなチャンスを活かして、楽しい事に飛び込んでみるべきです。
これは楽しいと、思えるようになったなら、あなたの人生は、それまでとは全然違うものに、なっているでしょう。