困った時がチャンス その3
困った時、人はどうしていいのかわからなくなります。
どうしていいのか、わかっていれば、困りませんものね。
困るということは、それまでのやり方や考え方では、対処できない状況が、起こっているわけです。
その状況は、別のやり方や考え方を、求めていると言えるでしょう。
しかし、人は安定を好み、変化を好みません。
これまでどおりのやり方を、維持したく思うものです。
たとえば、夜もろくに眠らず、働き回ってお金を稼ぎ、仕事の業績を上げようとしている人が、体を壊したとします。
この人は仕事を続けたいので、仕事を休まずにいられるよう、薬で何とかして欲しいと、病院に頼むでしょう。
しかし、病院で入院しなければだめだと言われると、とても困るでしょう。
病院の指示に従わず、そのまま仕事を続けて、死んでしまうかもしれません。
入院したとしても、業績をあげねばという考えに囚われていると、動けない自分を情けなく思い、すっかり自信をなくすでしょう。
そのことが原因となって、新たな症状を引き起こすことも、考えられます。
でも、自分を本気で心配してくれる、家族や友人たちの存在に気がついて、考え方が変わる人もいます。
こんな人は、業績よりも大切なものがあると理解し、それまでの自分が間違っていたと認めるでしょう。
そして、新たな価値観で暮らし始め、自分が本当は何をやりたかったのか、ということも思い出すのです。
こんな風に価値観を変えられた人は、病気になったことに感謝するでしょう。
病気にならなかったら、間違った人生を突き進み続けていたからです。
こんな感じで、困った状況というのは、その道をそのまま進むのは問題があると、示してくれているのです。
その意味さえ理解できれば、困り続ける必要はありません。
その道を進み続けねばならないと、思い込んでいる理由を、よく考えてみるといいでしょう。
正しいと思っていたその理由が、実は正しくなかったとわかったら、新たな道が目の前に現れます。
それこそが、本来進むべき道であり、その道へ一歩足を踏み入れたなら、困った状況はたちどころに消えるのです。