思いと行動
思ってはいるんだけれど、実際には行動を取っていない。
そんなことって、よくありますよね。
部屋を片づけないといけない。
わかっているけど、いつも後回し。
家族との時間を大切にしなければ。
だけど、今は忙しい。
不健全な生活を改善しようと思う。
そうは言っても、なかなかむずかしい。
頭ではきれいごとを並べるのですが、実際には、それができない言い訳を、いくつも見つけるだけです。
やらねばならないはずのことは、何一つできません。
結局は、やる気がないんでしょ、と誰かに言われると、いや、頭ではやろうと思ってるんだけど、と弁解するのです。
確かに、やろうと思っているわけですから、初めから、そんなことやらないよ、というのとは違うでしょう。
でも、実際には何もしていない、ということは、本気では思っていないのです。
いくら言い訳をしたところで、他の人には通じません。
私たちが暮らすこの世界では、行動と思考は一つのものです。
一体化しているのです。
学者が思考と行動を、別々に分けて考えてしまったので、二つは別物だと理解されています。
でも実際は、思考と行動は同じものです。
思考という表現をする時、それは目に見えません。
行動という表現をすれば、それは目に見えます。
つまり、行動とは思考が見える形で、表現されたものなのです。
やろうと思っているのに、何もやらない、というのは、やろうと思うけれど、まだやらないよ、という思考が表現されたものです。
その人が何を考えているのかは、その人の行動を見ていれば、わかります。
特に本人も気づいていないような、さりげない仕草を見れば、よくわかります。
誰も見ていないのに、他人が捨てたゴミを拾う人。
誰も見ていないだろうと、平気でそこらにゴミを捨てる人。
困っている人を見ると、声をかける人。
困った人を見ても、気づかないふりをする人。
お店で店員さんに、ありがとうと言う人。
お店で店員さんに、黙ってお金を投げて寄越す人。
ちゃんと患者に向き合って、きちんと話を聞く医師。
パソコンのモニターばかりを見て、患者の話を聞かない医師。
みんな、自分の思いを口にしていませんが、その行動でどんな人なのかが、一目でわかります。
また、自分自身を見つめてみても、面白いと思います。
自分が実際に取っている行動を、自分で確かめてみて下さい。
自分が何かを考えていたとして、それが本気での考えなのかどうかが、一目瞭然です。
ようし、やるぞ、と言いながら、何もしていなければ、それだけの思いだということです。
いつかはやるけど、そのうちな、という思いが表現されているのです。
充実した暮らしをしたいと思った時、その思いが本物かどうかは、自分自身の行動を見れば、すぐにわかります。
案外、好い加減な気持ちなんだと、気づかされるかもしれません。
いやいや、自分は本気で思ったんだ。
こんなことではいけない、と自分を叱咤激励することもできます。
そうすれば、実際に充実した暮らしを、手に入れることができるでしょう。
思いと行動は同じものです。
このことを、ぜひ日常の暮らしに活用してみて下さい。