自分を許す その3
自分を独りぼっちだと感じている人は、自分の魅力に気がついていません。
周囲に人がいなくて孤独を感じる人もいますが、みんなと一緒にいても、考え方や興味が合わなくて、心のうちでは独りぼっちということもあります。
見た目は違っても、孤独であることは、どちらも同じです。
自分を独りぼっちだと思う時、他人と自分を比べて、自分が劣っているように感じています。
みんなの話題に関心が持てない自分を、変わり者と見てしまうでしょう。
他人と自分を見比べる時は、大体において、相手に都合のよい基準で、比較するものです。
勉強ができるか、スポーツが得意か、営業成績がいいか、友だちがたくさんいるのか。
他にもいろいろあるでしょうが、どれをとっても、相手に都合のいいことばかりです。
共通の話題があるかということも、同じです。
みんなと一緒に盛り上がれるかも、比較の基準の一つです。
こんな相手に都合のいい基準で考えれば、当然、自分は何をしてもだめな、何の取り柄もない、つまらない人間だという結論に、至ってしまいます。
でも、自分の魅力を知っていたならば、他人と自分を見比べて、自分が見劣りするとは思いません。
そもそも、他人と自分を比べることもしなくなります。
では、自分の魅力とは何でしょうか。
それは、何かに夢中になるということです。
何かを本気で極めてやろうと思うほど、夢中になれるものがあれば、その姿が魅力として滲み出て来るのです。
それは個人的に楽しむものでもいいですし、仲間とするものでも構いません。
誰かに喜んでもらうことが嬉しくて、そんなことに夢中になるのもいいですね。
中身は何でもいいのです。
自分の意思で、自分が決めたとおりに、自分の人生を歩む。
これこそが、人間の魅力なのです。
そして、そんな人生を歩めるようになった人は、自分が進む道しか見えませんから、他人と自分を比べることなど、関心がありません。
自分と同じ道を進む人たちと、心を通わせることは心地よいのですが、そうではない人たちと一緒にいると、とても苦痛です。
つまり、自分が独りぼっちに見える、状態にあったとしても、全く平気になるのです。
そうなると、独りぼっちの自分が嫌いという想いは、いつの間にか消えているでしょう。
あえて自分を許すと思わなくても、自然に自分を許した状態になっています。
繰り返しますが、自分の魅力というものは、自分が進むべき道を歩む時に、内側から滲み出て来る雰囲気、あるいはオーラなのです。
自分が出すオーラは、それを異質と受け取る人を、寄せつけません。
でも、同じ気持ちを持つ人は、そのオーラに引き寄せられて、集まって来るのです。
本当に気持ちが通じ合える人たちというのは、こういう人たちです。
こういう人が一人でもいてくれたなら、生きていてよかったと思えるものです。