他人は教師
ご存知のように、人間はいろいろです。
いい人もいれば、悪い人もいます。
神経質な人もいれば、大雑把な人もいます。
気遣いができる人もいれば、気遣いができない人もいます。
性別の違い、趣向の違い、宗教の違い、民族の違い。
いろんな違いがあり、それがそれぞれの個性になっています。
双子と言えども別人です。
同じ人間というものは、存在しません。
人生は人間の数だけあるわけで、自分一人の人生では、とても体験できないことや、理解できないことを、他の人々が代わりに、体験してくれていると見て下さい。
楽しい人生、苦しい人生、いろいろありますね。
楽しい人生を送っている人は、どうして楽しく過ごせるのか、本当に楽しいのか。
苦しい人生を送っている人は、どうして苦しんでいるのか、本当に苦しみしかないのか。
本人ではわからないかもしれないことを、他人の目で見るからこそ、わかるということはあります。
人生は学びですが、他人の人生からも、多くのことが学べます。
他人は身を持って様々なことを、教えてくれている教師なのです。
人の生き様から何かを学んだなら、それを自分の人生に適応させることができます。
逆に言えば、適応させられない学びは、学びとは言えません。
せっかく多くの人が、いろんな人生を示してくれているのに、そこから何も学べないのであれば、もったいない話です。
悲惨な状況から立ち上がる人を見れば、困難な状況に陥った時に、これしきのことでへこたれるもんかと、強い気持ちを持てるでしょう。
一人では上手く行かないことも、チームで立ち向かえば、上手く行くという経験を見せられれば、自分も仲間が欲しくなるでしょう。
お金よりも大切なものがあると教えてもらえば、生きる目的が見えて来るでしょう。
何故、争いや苦しみから逃げられないのかを、考えさせられれば、自分はそのような状況にならないよう、気をつけることができるでしょう。
死ぬことを恐れるのではなく、いかに生きるかが大切だと示されれば、それまでとは生き方が変わるでしょう。
みんな、自分が他人への教師になっているとは、思っていません。
自分の人生を一所懸命に生きているだけです。
しかし、だからこそ他人への教師になるのです。
それは、あなたにも言えることです。
あなたもまた、自分で意識をしないまま、誰かにとっての教師になっているのです。
こんなことをすれば大変だぞ、と教える教師も必要ですから、あなたの人生が上手く行っていなくても、そこから学びを与えることはできます。
しかし、こうすれば上手く行くぞ、と教えられる教師になる方が、教師の質としては高まるでしょうし、あなた自身が楽しく過ごせます。
そのためにも、他の人たちから学ばせてもらったことを、自分の人生に活かして下さい。