パラリンピックと子供たち
今回、東京で開催されたパラリンピックは、テレビでも多くの競技が放映されました。
これまでの大会では、オリンピックは多くの時間を取って放映されていたのに、パラリンピックになると、放映時間はごくわずかで、ほとんどがニュースでの結果報告だけでした。
これでは、いくらパラリンピックの選手たちがすごいと言っても、知らない人たちには、そのすごさはわかりません。
ところが、今回は東京開催ということだからでしょうか、パラリンピックもNHKで多くの時間を割いて、放映されました。
お陰で、多くの人々がパラリンピックを観戦することができましたし、知らなかった競技の内容や、障害を物ともしない選手たちの活躍ぶりに、日本中が感動しました。
コロナの影響で、ほとんどの競技が無観客状態で行われましたが、たとえ観客を入れたとしても、テレビでの放映に比べると、その影響度は小さかったでしょう。
そういう意味で、今回のパラリンピックの東京開催は、とても大きな意義があったと思います。
多くの人々、また多くの子供たちが、障害者に対する見方が変わったという話を、耳にするようになりました。
競技自体も面白いですし、各地方の自治体で、障害者競技が行える施設を、もっと建設すれば、さらに認知度はアップすることでしょう。
そこで障害のない人も、一緒になって競技を楽しめるようになれば、最高です。
将来を担う子供たちが、パラリンピックによって、障害者へ尊敬の念を抱き、日常の中でも敬意を払う行動が、取れるようになれば、とても素晴らしいことだと思います。
運営の立場で見た場合、今回のパラリンピックが、本当に成功したと言えるかどうか、賛否両論があると思います。
しかし、人々の心に感動を与えるという視点で見れば、今回の大会は大成功だったと言えるでしょう。
テレビで感動した子供たちの声を紹介されると、とても明るい気分になります。
理屈で差別はいけないと教えるよりも、障害のある人たちの、本当の姿を見ることで、子供たちは自ら学んでくれます。
今後の社会を、よりよくするために、今回の影響が萎まないよう、みんなで盛り上がりを、持続させられるようにできればと思います。
また、さらに言えば、障害があろうとなかろうと、みんな同じ人間なんだ、という受け止め方を、子供たちが学んでくれることを期待します。
それは、障害以外の差別をなくすためにも、絶対に必要な学びです。
それに、人間以外の生き物たちも、みんな元は一緒だったんだ、と考えられるようになれば、素晴らしい世の中になるのは、間違いありません。
パラリンピック大会が閉会したことで、聖火は消えてしまいました。
しかし、選手たちが人々の心に灯した火は、今後も消えることなく、燃え続けて欲しいと思います。