不安を煽る者 その1
新聞や週刊誌、テレビやネット記事など、人々の不安を煽ろうとする情報は、いくらでもあります。
自分自身が不安だから、その気持ちを共有したくて、不安な情報を発信する人もいるでしょう。
でも、不安を煽るような発信をすることで、人々の注目を集めたいと考える者も、いると思います。
テレビや雑誌などは、視聴率や購読者数を稼ぐため、これでもかと言うぐらいに、不安を煽ろうとしているように見えます。
しかし、こちらが正しい情報と、正しい理解を持っていれば、いくら不安を煽る者が現れても、彼らの情報に振り回されることはありません。
要は、自分自身の問題なのです。
そんなことを言ったって、何が正しい情報で、何が間違った情報なのか、区別がつかないと言う方もいるでしょう。
そんな方は、普段から物事について、何故こうなんだろう、どうしてこうなっているのだろうと、考える習慣を持つようにしたらいいと思います。
物事には、原因と結果があります。
ただ、原因は一つとは限りません。
これが原因だと思っても、その原因に見える出来事は、何かの結果なのです。
そこには新たな原因が、見つかるでしょう。
しかし、その原因も何かの結果であり、また別の原因があるとわかります。
そうやって原因を探ると、まるでクモの巣をたぐり寄せるみたいで、何がなにやらわからなくなるかもしれません。
でも、そこからわかるのは、一つの出来事には、多くの物事が関わっているということです。
何か一つ、目立つような事が起こっても、それは全体が置かれた状況の、結果の一つとして起こっているわけです。
たとえば、熱が出た、咳が出た、と言っても、それは風邪などの病気の、一つの症状に過ぎません。
熱を下げればいい、咳を抑えればいい、という話ではないのです。
それと同じで、何か問題が起こっても、そこだけに注目するのではなく、その背景や全体像に目を向けなければいけません。
不安を煽る人たちは、物事のある一面だけを取り上げて、そこから勝手に、悪い将来像を創り上げ、いかにもそれが、確定した未来であるかのように吹聴します。
今、世間を騒がしているコロナについても、誰もが感染して重症化するような、そんな不安を広げようとしているように思えます。
確かに、若い人でも重症化するケースがありますし、感染者の増え方から見ると、今のコロナウィルスは、以前よりも感染力が強くなっているのでしょう。
でも、誰もが感染するわけではありませんし、誰もが重症化するわけではありません。
重症化する人には、他の人とは異なる、それなりの事情があるはずです。
若いからと言っても、免疫力を落とすような環境にいれば、やはり感染するでしょうし、重症化する可能性は高くなるでしょう。
若いのに感染して重症化する人が、増えているのだとすれば、コロナが怖いというよりも、若い人たちの生活の仕方を、見直す必要があるということでしょう
どんなものを食べているのか、睡眠をちゃんととっているのか、何かストレスを抱えていないか、自分らしく生きているのか。
そういう事を中心に、暮らしを見直してみるといいと思います。
何も考えずに不安になるのではなく、自分で確かめて、やるべきことがあるならば、躊躇しないで行動を起こす。
今はコロナが大きな問題となっていますが、コロナに関わらず、こういう動きが重要なのです。
不安になるということは、不安を煽る人たちを、喜ばせるだけです。
不安を煽る人たちの示す情報が、いかに偏ったものであるかを、きちんと見抜く力を、身に着けましょう。
そうすれば、不安に振り回されることはありません。
不安とは、先へ進むための情報不足を、示しているのです。