互いに好きになる
誰かを好きになる。
相手もこちらを好きになってくれる。
互いに好き合う、相思相愛って素敵ですよね。
でも、この好きになるのに、何か理由があると、気持ちが変わるかもしれません。
例えば、相手の容姿に惚れたとします。
その相手が大怪我をしたり、大病になったり、あるいは歳を取ったり、食生活が変わったりという理由で、出会った頃とは異なる容姿になることって、ありますよね。
その場合、惚れた容姿が変わってしまったということで、好きだったはずの相手から、心が離れてしまうかもしれません。
スポーツが得意だから、頭がいいから、お金を持っているから、優しいから。
いろんな理由で、相手に魅力を感じる人はいるでしょう。
結婚相手の条件として、そういうことを並べる人も、いるのではないでしょうか。
でも、そういう理由で一緒になっても、その理由が解消されてしまうと、二人の仲も解消になってしまうと思います。
本当に誰か好きになった場合、どうして好きになったのかと、理由を聞かれても、うまく答えられません。
それは、その人自身、その人の存在そのものに、惹かれたからです。
姿が変わろうと、歳を取ろうと、貧乏になろうと、他の人が離れようと、そんなことは一切関係ありません。
その人に惹かれたのですから、何がどうなろうと、惹かれる気持ちは変わらないのです。
お互いに相手を、そんな想いで好きになったなら、まさに運命の人との出会いと言えるでしょう。
ところで、この誰かを心から好きになるということって、どういうことでしょうか。
人が人を好きになるなんて、別に珍しいことではありません。
言い換えれば、そんなのは当たり前の話です。
でも、当たり前であっても、それがどういうことなのかは、なかなか説明できないのではないでしょうか。
それは、磁石のN局とS局が、引っ付き合うのは当たり前だけど、どうして引っ付くのかは、うまく説明できないのと同じです。
原子はプラス電荷の原子核と、マイナス電荷の電子が、互いに引き合うことで、できています。
これも、何故マイナスとプラスが引き合うのか、その理由はよくわかっていないと思います。
ところで、真空と思われる空間に、強力なガンマ線を放射すると、ある一点において、ガンマ線が消失し、そこからプラスの陽電子と、マイナスの電子が飛び出します。
この陽電子と電子は、別々の方向に飛び出したあと、互いに引き合い、最後には合体して消えてしまいます。
すると、その一点から、先ほどのガンマ線が、再び現れるのです。
これは、空間は全て均一なのではなく、ガンマ線が引っかかるような、歪みがあるということと、ガンマ線のエネルギーは、空間の歪んだ一点を、陽電子と電子に分離させるということを、示しています。
つまり、何もない0だと思われている空間には、実は、互いに向きが正反対で、同じ大きさのエネルギーの波が、重なって存在しているということです。
二つの真逆の振動エネルギーが、重なって存在しているので、見た目には、互いの波が打ち消されて、何もないように見えるのですね。
ポイントは、本来一体になっていたものが、二つに引き離されると、再び一つになろうとすることです。
これを、素粒子レベルの愛だと理解すると、面白いと思いませんか。
お互いを愛し合っているから、お互いを好いているから、一つに戻ろうとするのです。
それは、世界が愛で創られていると、いうことですね。
私たち人間も、愛で構成されていると言えるでしょう。
また、互いを心から好き合う人たちは、元は一つの魂が、二つの心に分かれたのかもしれませんね。
だから知らない間に、お互いに近づき、離れられなくなるのです。
もしかしたら、分かれた魂は、同じ性の体に宿るかもしれません。
あるいは、年齢がとても離れた体に、宿るかもしれません。
また、心では惹かれ合っているのに、世の中の常識や価値観が、二人の邪魔をするかもしれません。
それでも、元々一つだった二人の心は、一つになろうとするのです。
誰かを本当に好きになるって、こんなことではないかと思うのです。