Cafe de 寺子屋
ニュースで、Cafe de 寺子屋という、NPO法人を紹介していました。
大学生が起こしたもので、子供たちが勉強というものに興味を持ち、心地よく自学自習ができる場を、提供しているそうです。
夕方閉店したカフェなどを借りて、大学生たちが地域の子供たちの、学習をサポートするというものです。
学校や塾のように、これをしなくてはいけない、これができないとだめだ、というような強制的な学習ではなく、子供が自分でやりたいことを、自分のペースで学び、わからない所は大学生が、一緒に考えるというものです。
インタビューに答えていた子供たちは、みんな活き活きした顔で、勉強がとても面白い様子でしたし、親御さんからも好評でした。
カフェなので、家や学校とは全然雰囲気が違いますし、カウンター席やテーブル席、ソファーなど、銘々が好きな所で、好きなように学べるのも、自然な気持ちを引き出せるのに、一役買っているようです。
子供たちは全く自由で、何にも縛られませんから、勉強が遊びの一環になっているようです。
学校などでは、勉強と遊びがきっちり分けられています。
しかし、それではついて来られない子供もいますし、ついて来ているように見える子供も、勉強とはしなくてはいけないものだから、やっているという考えを持つようになります。
ですから、社会に出ると、勉強から解放されたという思いで、何かを学んだり、自分で考えるということを、しなくなるのです。
Cafe de 寺子屋では、大学生が子どもたちの見本となり、子どもたちと一緒に学ぶことで、子どもたちに主体的な学びのきっかけを、提供するということです。
その大きな目的は「すべての価値観が尊重される中で、自分自身で判断し、言動を選択できる社会の実現」だそうです。
全く素晴らしいとしか言えません。
本来は国や自治体が、学校において、このような姿勢を見せるべきなのですが、古い体質の中で、古い考え方に凝り固まった人たちには、不可能なことなのでしょう。
これは大学生たちが、自ら考案し、自分たちで動くことで、始まったプロジェクトです。
学びの場を提供してくれる人たちも、間接的にこのプロジェクトのメンバーだと言えるでしょう。
現在は東京都と静岡県、山梨県で活動をしていますが、その他にも活動地域を広げて行く予定で、2022年3月までに、47都道府県すべてに寺子屋をつくるのが、目標だそうです。
私がいる愛媛県には、まだありませんが、とても期待しています。
初めは小さな活動でも、それがいいとなると、あっと言う間に広がることでしょう。
未来を創る子供たちが、全てにおいて受け身で、自分では何も考えないような、大人になったとしたら、どんな世の中になるのでしょうか。
恐らく、今以上にひどい世の中になるでしょう。
しかし、このプロジェクトが広まり、子供たちが大人になっても、学ぶ喜びを忘れず、常に自分たちで考える力を、持ち続けることができたなら、今とはまったく異なる社会に、なるでしょう。
現在の人々が、何も疑わずに受け入れている、資本主義社会についても、本当にこれでいいのか、もっといいやり方があるのではないかと、多くの人が考えるようになると、そのような社会は簡単に実現すると思います。
Cafe de 寺子屋 の活動は、そんな社会が近づいて来ていることを、知らせてくれています。
また、社会を変えるためには、どうすればいいのかということを、自らの活動を通して、人々にお手本を見せてくれているのです。
ここで学んだ子供たちは、勉強の楽しさだけでなく、社会に出た時に、自分たちがどのような行動を取るべきなのかも、学んでいることでしょう。