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他の生き物の世界

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人間は自分がいる世界、自分が認識している世界が、唯一のものだと思いがちです。

しかし、個人が体験している世界は、人それぞれで異なりますし、人間以外の生物が経験している世界となると、全く別の世界です。

よく言われるのは、犬の目は色がわからないから、犬が見ている世界は、白黒の世界だということです。

 ※Mylene2401さんによるPixabayからの画像です。

猫は幽霊が見えるそうですので、幽霊が存在している世界の様子も、見えるのでしょう。

モンシロチョウやハチドリは、紫外線が見えるそうです。

でも、紫外線が見えない人間には、それがどのように見えるのかは、わかりません。

昆虫が持つ複眼は、小さな目がいくつも並び、ほぼ360度全部を把握できるようです。

クモは目が八つあります。

でも、人間の目とは違いますから、一つの目が見ている映像は、人間が見ているものとは、全然違うのでしょう。

もしかしたら、単なるエネルギーのような、もやもやした感じの映像かもしれませんね。

 ※Cuong NguyenさんによるPixabayからの画像です。

目がたくさんあると、その生き物は世界を、こんな風に見ていると考える時に、丸いモニターがいくつも並べた状態を、イメージするかもしれません。

一度にたくさんの画面を、同時に把握しているイメージですね。

でも、人間には目が二つありますが、私たちが認識している映像は一つです。

二つの目から送られた視覚情報を合成して、一つの立体映像として把握しているのです。

と言うことは、目がたくさんある生き物も、多くの映像を一度に認識するのではなく、それらが合成された特殊な視覚情報を、感じているのかもしれません。

視覚よりも、聴覚や嗅覚に重点をおいた生き物も、いるでしょう。

 ※Dirk (Beeki®) SchumacherさんによるPixabayからの画像です。

モグラはずっと地中にいるわけですから、視覚よりも嗅覚や聴覚が発達しているはずです。

夜、空を飛び回るコウモリは、超音波を発して、跳ね返ってくるその超音波を聞き取り、獲物や障害物を確かめています。

視覚情報もあるのでしょうが、それよりも聴覚情報の方が大きいのです。

また、私たちは聴覚を単なる音として認識していますが、他の生き物では音を、一種の映像のようにとらえているものも、いるかもしれません。

いずれにせよ、みんな、同じ所にいるのに、見ているもの、感じているものが、全然違うということです。

互いに干渉し合うことはできても、それぞれが生きている世界は、別々なのですね。

面白いと思いませんか。

それに、人間はみんな同じ世界にいるのだと思っていても、本当は一人一人が、独自の世界にいるのだと、考えやすくなるのではないでしょうか。

本当の世界というものは、あらゆる情報の塊なのでしょう。

そして、人を含めて、生き物が認識している世界は、その情報の中から選ばれたもので、構成された独自のものなのです。