人生は畑仕事
人生とは畑仕事、野良仕事のようなものです。
汗水流してがんばって、できた物を収穫します。
でも、他の人の畑は豊作なのに、自分の畑は貧弱で、出来の悪いものばかり。
そんな風に思える人は、結構いるのではないでしょうか。
野良仕事の手を休めていたのなら、結果が悪くても納得が行く。
しかし、自分なりにがんばったのに、全然うまく行かない。
今度こそ、うまく行くかと期待してると、台風や日照りなどで、収穫直前の作物がだめになる。
そんながっかり気分が、世の中にはたくさんあると思います。
でも、世の中というものは、バランスでできています。
いいことがあれば、悪いこともあります。
どちらか一方だけというのは、有り得ません。
それは人生全体でも言えることですが、一つ一つの出来事についても言えます。
どんなに悪い出来事でも、それがあったから、こうなったという、良い局面があります。
つらく悲しい経験があるからこそ、小さな喜びに気がついた、ということもあるでしょう。
他の人の畑がよく見えても、見ているのは、作物が実る景色だけです。
その作物ができるまで、その畑の持ち主が、どれほど苦労したのかは見えません。
また、どんなにいい作物が実っているように見えても、それが畑の持ち主が、求めるものでなければ、それは不作と同じ意味になります。
他人の畑がどのように見えたとしても、そこの事情までは知る由がありません。
ですから、自分の畑と他人の畑を見比べることには、意味がないのです。
表面的な部分だけを見て、ああだこうだと悩むのは、時間の無駄というものです。
それよりも、自分が畑にどのような作物を、期待しているのかを、確かめるべきでしょう。
流行に追われて、人と同じような作物を作ろうとしても、うまくは行きません。
作物を育てるには、土壌が大切です。
土壌の状態が違えば、同じ作物でも、うまく育ったり、全く育たなかったりします。
人は一人一人異なる存在です。
求めているものが違いますから、そこに植えるべき作物も、違うのです。
それなのに、他の人と同じ作物を育てようとすると、うまく育ちません。
ちゃんと土壌に合った作物を、育てる必要があるのです。
つまり、自分の本音がどこにあるのか、自分が本当は何を求めているのか、ということが、人生においては、非常に大切なことなのです。
それさえしっかりしていれば、作物はすくすく育つことでしょう。
時に、台風などの災害に見舞われることもあるでしょうが、そんなものにもへこたらず、折れても曲がっても、作物は育ちます。
そして、素晴らしい収穫の時が訪れるでしょう。
それは、畑一杯に採れるものかもしれませんが、わずかにしか採れないものかも、しれません。
でも、それは不作なのではなく、そういう作物なのです。
つまり、誰もが手に入れられるようなものではない、非常に貴重で価値ある作物なのです。
これもバランスです。
畑一杯採れる収穫の価値が、わずかな収穫に凝縮されているわけです。
さぁ、あなたの畑の土は、どんな作物を植えて欲しがっているでしょうか。