> 科学・哲学・心霊 > 多次元世界 > 不確かな記憶

不確かな記憶

この記事は4で読めます。
 ※Engin AkyurtさんによるPixabayからの画像です。

朝目覚めた時、私たちは自分が、昨日と同じ世界にいると受け止めています。

それは目覚めた部屋の様子や、昨日までの記憶、それを裏づけるような新聞やニュースなどの情報と、記憶を共有できる人々。

そういうものが、自分が昨日と同じ世界にいるのだと、確信させてくれるからです。

でも、本当にそうなのでしょうか。

夢の中には、夢の世界だけの記憶というものがあります。

その世界の自分は、この現実世界とは別人になっていて、こことは違う記憶を持っているのです。

その夢に現れた場面の記憶ではなく、夢には出ていないことが、夢の中の記憶として、認識されるのです。

 ※Laddawan SomkaewさんによるPixabayからの画像です。

テーブルの上に、料理が載せられている場面を、夢で見たとしましょう。

その場面を見ているだけで、 その料理を誰がどのようにして、作ったのかということがわかるのです。

その料理が作られるところの、記憶があるわけですね。

でも、料理が作られる場面は、夢には出て来ません。

ですから、夢の中だけの記憶なのです。

そんな記憶は妄想みたいなもので、頭が勝手に作り上げたものだ、と言いたい人もいると思います。

でも、夢の記憶が正しいかどうか、ということは問題ではありません。

その時の自分は、それを自分の記憶として、認識しているということが、重要なのです。

その記憶を認識している時には、こちらの世界の記憶はありません。

この現実世界の存在すら、頭にはないのです。

私たちは今認識している時空間を、現実の世界だと理解しています。

その根拠として、記憶は重要な地位を占めています。

しかし、一晩寝て目が覚めた時に、実は昨日までとは違う世界を、体験しているのかもしれないのです。

新たな世界には、新たな記憶が用意されていたとするならば、昨日いた世界の存在すら、わからなくなっているでしょう。

本当は今日から新しい世界を体験しているのに、昨日も一昨日も一昨昨日も、ずっと新しい世界にいたと、信じてしまうからです。

絶対にそうだと、言い切ることはできません。

でも、絶対に違うと、言い切ることもできないはずです。

結局、確かなのは、今この瞬間だけと言えるでしょう。

 ※RRiceさんによる写真ACからの画像です。

記憶が実は不確かなものだとしても、それを活用することはできます。

自分が保持している記憶を利用することで、今この瞬間をどのように生きるかを、判断できるでしょう。

ただ、同じ記憶から、どのような意味を見出せるかで、判断の結果が違って来ます。

人は記憶を頼りに、過去はどうだったかとか、事実はどうなのか、ということを重視しがちです。

しかし、そんなことよりも、今をどう生きるのか、ということの方が、遥かに大切だと思います。

そのためには、記憶されている過去の経験から、何を学ぶのか、過去の経験を、どのような視点で見るのか、ということが重要になって来ます。

何も学ぶことなく、過去に振り回されて、苦しい思いばかりをするのは、馬鹿馬鹿しいことです。

過去を単なる事実として見るのではなく、今を豊かに生きるための、材料だと見れば、苦しい気持ちは楽になって来るでしょう。

そして、今という瞬間を、活き活きと生きられるようになった時、記憶を振り返ってみて下さい。

以前には、恵まれていないと思っていた過去が、実は恵まれていたのだと、思えるようになっているはずです。

それは、今を変えることで、過去もまた変わったということなのです。

 ※mohamed HassanさんによるPixabayからの画像です。

不確かな記憶に囚われないで、いろんなことを深く見るように努めましょう。

大切なのは今なのです。

今が変わるということは、それまでとは別の世界の、体験が始まったということです。

そこには新たな記憶が備わっています。

前の世界と同じような経験の記憶に思えても、その経験を恵まれていなかったと見るのか、恵まれていたととらえるのかで、全く別の記憶になっています。

覚醒している間に、新たな世界を体験し始めた場合、新しい記憶と共に、古い記憶も保持しています。

しかし、新しい記憶の方がメインになると、古い記憶はいつの間にか、どこかに隠れてしまうでしょう。

過去に苦しんでいる人は、ぜひ今を変えてみて下さい。

それは言い換えれば、価値観を変えるということです。

人生というものを、表面的にとらえるのではなく、深く見て下さい。

きっと、苦しみから抜け出せると思います。