他人の人生
他人の人生を、背負うことはできません。
もちろん、変えることもできません。
たとえ、それが自分にとって大切な人であっても、自分ではない人の人生を、背負うことはできません。
その人の世話をすることはできます。
その人を支えることはできます。
それでも、それでその人がどのように決断し、どのように行動するのかは、その人の自由です。
その人の人生を歩むのは、その人自身なのです。
こちらから見て、それがどう見えたとしても、それがその人の選んだ結果であれば、どうすることもできません。
怒ったり泣いたり、がっかりしても、どうにもならないことなのです。
できることは、それがその人の選択であるならば、それを受け止めて、認めてあげることでしょう。
否定すれば、その人の存在を否定するのと同じです。
その人が大切であるのならば、自分の感情は脇に置き、その人の選択を受け入れましょう。
選択した結果は、全て本人に戻って来ます。
人はそうすることで学び、成長するものなのです。
たとえ、それが痛みや苦しみにつながるものだとしても、その中に、その人の学びがあるのならば、他人がとやかく言うものではありません。
その人が必要とするものが、その中にあるのであれば、それを引き止めることはできないのです。
私たちにできることは、その人が必ず、そこから何かを学びとり、成長することを信じて、見守るだけです。
また、その人がどんな選択をして、どのような結論に至ったとしても、それに対して、他人は責任を感じる必要はありません。
感じたところで、仕方がありません。
もっとこうすればよかったのではないかとか、ああしてやればどうだっただろう、と考えてしまうかもしれません。
しかし、それを言い出すときりがありません。
それに、相手がこうだと決めてかかっているものは、どうにもしようがないのです。
その時に自分ができることをして、あとは、やはり見守るだけです。
もう一つ大切なことは、自分自身が自分の人生を歩むのを、忘れないということです。
学びと成長は、自分にも必要なものです。
他人の人生に振り回されて、自身の人生に目を向けることができないのは、苦しい思いをするばかりで、少しもいいことはありません。
ただ、それも一つの学びでありますから、そこから自分の人生の大切さを知る、ということになるのかもしれません。
いずれにしても、それぞれの人生の選択権や決定権、そして責任は、その人自身にあります。
その人の人生は、その人のものなのです。
自分にできること、あるいは自分がするべきこと、それは自分の人生を生きるということです。