大腸癌の治療
ニュースで、進行性大腸癌の治療成績についての、報告がありました。
それによれば、進行性大腸癌の治療で、手術をして抗がん剤を使用した人と、手術をせずに抗がん剤のみで治療した人では、治療成績に大きな差がなかったとのことです。
また、抗がん剤の副作用では、手術をした人の方が、苦しむ人が多かったそうです。
どちらも生存率は2年2ヶ月ほどだったので、今後の治療方針としては、出血などの合併症がない限り、手術はせずに化学療法中心の治療に、なるだろうということでした。
かつては癌と言えば、不治の病の代表で、映画やドラマでも、悲劇のヒロインが癌に罹っているという話が、よくありました。
今では不治の病という印象がなくなったのと、似たような話ばかりになると、飽きられるからでしょうか、こういうストーリーの映画やドラマは、少なくなったように思います。
そうは言っても、癌が治ると言われるのは、早期発見と早期治療の結果でしょう。
見つかるのが遅かった場合や、本人の体力がない場合などは、癌は不治の病になってしまいます。
ところで、昔はこれと言った治療法がなかったため、手術できるものは切除してしまえという風潮が、医療界にはあったようです。
癌と診断がつくと、内科はお手上げ状態で、外科だけが頼みの綱という感じでした。
また、患部を切り取ってしまえば、それで治ったことにするという、暗黙の了解があったように思います。
しかし、たとえば胃癌で胃を切除してしまうと、癌はなくなるかもしれませんが、胃もなくなってしまいます。
それでも生きることができるのだから、それでよし、とされていたのですが、やはり、それまであった胃がなくなると、その方の生活にも影響が出て来ます。
食事の仕方を工夫しないといけませんし、胃を取ったせいで貧血になることもありますから、それを予防する薬も、必要になって来ます。
胃がないと、食べた物がいきなり腸に流れ込みますから、血糖値が急激に上昇することもあります。
このように、癌を切除しても、元の健全な状態に、戻るわけではありません。
それができるのは、ごく早期の癌で、本当にその部分だけを、プチッと取れる場合だけです。
そうでない場合は、癌がある状態を、体の一部(胃癌の場合は胃)が欠如した状態に、置き換えるのです。
癌だと死ぬけれど、体の一部が欠如しても、死なないのだからいいだろう、という感覚ですね。
当然、失われた部分が担っていた役割は、果たす者がいなくなるのですから、その分は何らかの、体の不調という形で現れます。
今回、発表がありました、大腸を切除する場合と、切除しない場合では、切除しない方が、抗がん剤の副作用が少なかったとありました。
と言うことは、癌と一緒に切除されてしまう大腸には、抗がん剤の副作用を抑える、何らかの影響力があったと、考えられるのです。
もしかしたら、大腸を失ったことによる、体力低下が関係しているかもしれません。
しかし、大腸には消化機能以外の、隠された役割があるのかもしれないのです。
いずれにしても、今後は薬による癌治療が、飛躍的に発展して行くでしょう。
その結果、手術による切除というものは、どんどん減って行くことと思います。
ただ、知っておいて欲しいのは、病院は私たちの体について、何でもわかっているように見えますが、実はわかっていないことが、まだまだ、たくさんあるということなのです。
また、寿命や遺伝的なものでない限り、基本的に体は病気にならないように、できています。
病気になる場合は、体の機能を損ねるようなことを、本人が気づかずにしているのです。
これからの癌治療は、自然免疫力を高める方向へ、進んで行くでしょう。
コロナウィルスやインフルエンザなどの感染症についても、やはり自然免疫力が、大きく物を言います。
こういう免疫力を高めるのに、いちいち病院に相談する必要はありません。
自分の生活を見直せば、健全な体を取り戻す、あるいは維持することができるのです。
深刻な病気というものは、表面から見えない所で、徐々に進んで行くものです。
今は元気であっても、知らないところで、病気が進んでいるかもしれません。
それがどんな病気かと、不安になって検査を重ねるより、病気になりそうな状況を、自分が作っていないか確かめて、それを改善することが、手っ取り早くて効果的です。
ただ、歪んだ環境に慣れ親しんでいる場合、それを改善するのは一苦労です。
歪んでいたとしても、その環境が心地よいというのであれば、それなりの理由があるはずです。
環境を整えることは大切ですが、何故歪んだ環境が心地よいのかを、確かめることも重要です。
そこに対処しなければ、いくらいい環境にしても、すぐに歪んだ環境に戻ってしまうでしょう。
うまく対処して、心も体も本当に居心地の良い環境を、作って行きましょう。