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上から目線

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 ※happyjuneさんによる写真ACからの画像です。

上から目線で何かを言われると、ムッとしますよね。

でも、自分もつい、上から目線で言ってしまうことが、あると思います。

上から目線で言われると、相手の反発を招きます。

その場で反抗される場合もあれば、表面的には従順でも、心の中で反発をされている場合もあります。

素直に、はい、そうですか、となることは、少ないのです。

全くの赤の他人に、何かを伝える場合、普通は上から目線では言いません。

それがお願いであれば、低姿勢になるでしょう。

知人と話す場合も、相手と自分が対等の立場であれば、やはり上から目線では言いません。

親しさから言葉が荒くなったとしても、上から物を言うことはありません。

普通に言わねばならない場面で、上から目線で喋る人は、普段から自分に自信がなく、自分が他人より劣っていると、考えているのでしょう。

あるいは、誰も自分に注意を払ってくれないとか、周囲の人々に無視されていると、感じているのかもしれません。

こういう人は、何かにつけて、上から目線で物を言います。

そうすることで、相手に自分の存在を、認めさせようとしているのです。

これは少し、精神的に病んだ状態だと言えます。

でも普通の人でも、上から目線で言う時は、こういう人たちと、似たような思考が働いていると、言えるでしょう。

ただ、本人には、そのような認識はありません。

何故なら、そういう物言いをする時、その人は相手を指導する立場にあるからです。

別に威張っているわけではなく、相手に教えることを教えているだけで、それが指導する立場の者として、当たり前の姿だと信じているのです。

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たとえば、親、教師、上司、先輩、兄や姉。

こういう立場で物を言わねばならない時、それは大概の場合が指導になりますから、指導する者らしく振る舞うわけです。

でも、上から目線で言われると、反発したくなりますから、せっかくの指導が、指導にならなくなってしまいます。

上から目線で喋る時、本人はあまり意識をしていないかもしれませんが、自分の立場が上であることを、無意識に伝えようとしています。

頼み事にしても、忠告にしても、どうしてそうする必要があるのかを、相手が納得するように説明できるのであれば、まだいいのです。

しかし、説明できなければ、頭ごなしに、俺の言うことが聞けないのか、となってしまいます。

こうなると、自分に自信がないがために、自分より下の立場にいる者を利用して、自分の存在をアピールしているだけ、ということになります。

これでは目的が指導だとは、言えないでしょう。

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親や教師、あるいは上司など、相手を指導しようとして、上から目線で喋ってしまう人は、それが指導者のあるべき姿だと、信じているのだと思います。

恐らく、自分の親や先生や上司の姿が、そのように目に映ったのでしょう。

上から目線で言われた時には、自分自身も反発心を抱いたはずです。

それでも、指導されたら黙って言うことを聞くものだと、信じ込まされ、自分も同じことを繰り返すのです。

周囲を見渡せば、親や教師や上司であっても、フレンドリーな人がいるのが、わかるでしょう。

職場の上司や先輩にしても、威張っている人もいれば、親身になってくれる人もいるはずです。

最初に自分が目にした、モデルどおりにする必要はありません。

こっちの方がいいなと思えば、そちらのモデルを真似ればいいのです。

上から目線で物を言う時、それは相手を抑え込もうとする、意識が働いています。

こうしなくては、いけない。
こうでなければ、ならない。

それは相手から自由を奪い、苦しめることになりますが、同時に、自分自身をも束縛することになるのです。

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指導する立場で考えると、下の者には、いろいろ言いたくなるものです。

でも誰もが、失敗や痛い思いを経験して、成長していくのですから、そのチャンスを認めてやらねばなりません。

絶対にしてはいけないことだけ、しっかり伝えたら、あとは好きなようにさせるのが、いいでしょう。

痛い目に遭って初めて、言われていたことを理解することは、少なくないと思います。

相手を自由にしてやると、いろいろ言う必要がなくなった自分自身も、自由で楽になったことが、実感できるでしょう。

誰かに、上から目線で物を言いたくなった時、それは自分が何かの考えに、縛られているという証です。

つまり、そういう時には、自分を縛っている、何らかの考え方や価値観を、あぶり出すチャンスです。

そんな不要な考え方や、価値観を見つけ出し、それを手放すことができたなら、生まれ変わったような、新鮮な気分になれると思います。

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