アメリカの医療費
アメリカの70歳の男性が、新型コロナウィルスに感染して、ワシントン州の病院に2ヶ月余り入院していたそうです。
その男性が病院から、請求された治療費は、なんと約1億1800万円。
驚きの金額です。
この男性が大金持ちであるなら、支払えるでしょう。
でも、そうでないのなら、破産するしかありません。
コロナと戦う医療従事者たちや、何とか生き延びて、無事に退院して行く患者の姿は、日本でもニュースなどで紹介されました。
しかし退院した患者へ、どれだけの治療費が請求されたのか、その患者がそのお金を支払えたのか、そういう事はちっとも教えてもらえません。
でも、この男性のようなケースは、少なくないと思います。
オバマ大統領の頃に、オバマケアという医療制度改革が行われたことは、みなさんご存知でしょう。
所得の少ない人でも、保険に入れるようになったのです。
トランプ大統領はオバマケアを、撤廃したがっています。
でも、それは実行されていません。
オバマケアは活きているはずです。
それなのに、どうしてこんな金額が請求されるのでしょうか。
日本の健康保険は、公的な医療保険です。
でも、オバマケアで利用しているのは、民間の医療保険なのです。
日本の保険制度では、全国どこの病院でも、同じ金額で同じ治療が受けられます。
しかしアメリカの保険では、保険会社が契約をしている病院、あるいは契約している医師の診察・治療である必要があります。
そうでなければ、保険に加入していても、保険金は支払われないのです。
自分を診てくれた医師が、保険会社と契約していなければ、治療費は全額自己負担です。
突発事故や急な病気で、担ぎ込まれた病院が、保険会社と契約していなければ、やはり全額自己負担です。
ちなみ救急車で運ばれると、一回乗っただけで数十万円の、請求が来るそうです。
これも保険が利くとは限りません。
こんな感じですから、医療費の支払いが原因で、自己破産をする人は結構いるようです。
アメリカのマイケル・ムーア監督が作った、シッコ sicko という映画があります。
これはアメリカの医療保険の現状を、紹介するドキュメンタリー映画です。
この映画を観れば、アメリカの医療保険がよくわかります。
はっきり言って、アメリカの保険は詐欺と同じです。
また、保険が適用されるかどうか以前に、アメリカの医療費はあまりにも高額過ぎます。
たとえ保険が適用されたとしても、自己負担額はかなりの額になります。
これでは貧乏な人が大病を患ったり、大怪我をすると、結局破産するしかありません。
基本的に何でも自己責任で、という徹底した個人主義が、問題の根底にあると思います。
誰も助けてくれないから、多くの金を手に入れようとするのでしょう。
でも大金持ちになっても、不安があるため、もっとお金を稼ごうとするのです。
困った時には助けてもらえると、わかっていたならどうでしょう。
きっと、一生かかっても使い切れないような、大金を求めたりはしないはずです。
みんなが死んでも、自分だけは助かりたい。
そんな想いが、多くのセレブたちの心を、占めているのだと思います。
自分が常に優位なポジションにいるためには、劣った者たちが必要です。
すでに特権を手にしている人たちは、国民全員が裕福になっては困るのです。
これが人種差別や貧困などの、最大かつ根源的な原因でしょう。
お金や権力などに執着する人たちは、不安で心が病んでいるのです。
死の淵から生還できた人たちは、本来祝福に包まれ、幸せを噛みしめるものでしょう。
それなのに、請求された治療費の額を見て、愕然とするのです。
こんな事なら、病院なんか行かずに死ねばよかったと、その人が思ったならば、何のための治療だったのでしょう。
医学の進歩とは、誰のためにあると言うのでしょうか。
全ての仕事がそうあるべきですが、特に医療は、人を安心や喜びへ導く行為なのです。
それを忘れて、お金の計算を目的にするのは、最低です。
そういう人たちこそ、心の病院に入院して、治療を受ける必要があると思います。
アメリカは世界一の超大国だと言われています。
先進国の最もトップに位置していて、経済や軍事において、世界を牽引して来ました。
しかし、国内の現状を垣間見ると、本当にこの国が先進国なのかと、首を傾げたくなります。
こういう理念の国が、先導する世界には、希望を見い出せるとは思えません。
実際、これまでのアメリカ中心の世界は、紛争だらけでした。
アメリカにとって、他国は自国を利するための、踏み台に過ぎないからです。
世界の国々は、本当に力になってくれる、思いやりのあるリーダーを求めています。
アメリカ国民の半分は、自分たちの国がそういうリーダーであることを、望んでいるでしょう。
私はそんな人々に、心からのエールを送ります。
しかし、今のアメリカが、世界のリーダーであり続けることは、難しいように思えます。
では、どこの国がリーダーになるのでしょう。
私は日本だと思います。
今こそ、日本が世界のリーダーシップを、取るべき時なのです。
日本人の国民性とも言える、思いやりの心を世界に示し、広げるのです。
損得ではなく、相手への思いやりで動く姿勢を、模範として見せるのです。
それが他の国にも、受け入れられたなら、きっと地球は楽園となるでしょう。