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英国への期待

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 ※WalkersskさんによるPixabayからの画像です。

今日でブログを始めて1ヶ月。
無我夢中の1ヶ月でした。

ところで、イギリスのジョンソン首相が、中国政府が香港に「国家安全法」を導入したならば、香港に暮らす約290万人へ、イギリスの市民権を獲得する道を開くと表明したと、ニュースの記事にありました。

香港で大きなデモが起こり、市民が香港政府と衝突していた時も、イギリスはこれまで表立った行動は見せて来ませんでした。
それが、今回このような表明に出たのは、とても大きな変化だという印象を受けました。

イギリスはEU離脱で、大揉めに揉めて来ました。
一応は離脱すると決まったものの、具体的なことは、まだ何も決まっていません。

下手をすれば、合意なき離脱という形になる、可能性もあるのです。

 ※Pete LinforthさんによるPixabayからの画像です。

イギリスは将来への方向性が、定まっていません。

イギリスを拠点にして、EUで活動して来た企業の中には、イギリスを離れる所も出て来ています。
失業者が増えて、経済的な不安が高まる中に、今度はコロナ騒ぎです。

多くのコロナ患者や死者を出す中、ジョンソン首相までもが感染して、重篤な状態に陥るなど、イギリスは混乱の極みでした。

とても香港に対して動きを見せるだけの、余裕などなかったと思います。

それが一転、今回のジョンソン首相の表明となりました。

表明どおりの事が、現実に行われた場合、移民問題で大きく揺れていたイギリス社会に、新たな問題を生じる可能性が、あると思います。

それでも、香港市民の受け入れを表明したのは、損得を超えた、人間としての想いを感じさせられます。

アメリカのトランプ大統領も、中国に対して文句を言います。
でも、トランプ大統領の言葉は、常に損得勘定があるように聞こえます。

ジョンソン首相が就任した時、私はトランプ大統領に似た、雰囲気の人だなと思っていました。
EUとの交渉でも、イギリスの言い分だけを、押し通そうとしているように見えました。

でも、コロナウィルスに感染して死にかけた後、生還してからジョンソン首相は、変わったように思えました。

ジョンソン首相は喜びを抑えきれない様子で、自分を助けてくれた人々の名前を、一人一人読み上げて、感謝を伝えました。

その中で、特に感謝した二人の看護士は、移民の女性たちでした。
イギリスが大問題にしていた、移民に対して心からの感謝を示したのです。

 ※Pete LinforthさんによるPixabayからの画像です。

私は彼が変わったのだと、確信しました。

そして、香港市民に向けての、今回のメッセージです。
それによって起こる問題は、覚悟の上なのでしょう。

香港市民は受け入れて、他の移民は受け入れないのか、という話も出るでしょう。
でも、きっとこれまでとは違った対応を、他の移民の人たちにも、見せると思います。

もちろんイギリスという国や、国民を守るのが首相の役割です。
そのためには、できる限り妥協しない姿勢は、続くでしょう。

それでも、移民の人たちとの共存ができる、思いやりのある政策を、見つけてくれると期待しています。

かつての植民地の人々に、手を差し伸べるというのも、とても印象的かつ象徴的です。

以前は主従関係があった人々が、一つになるという構図です。

それは意図していないにしても、今の世界に対する、大きなメッセージとなるでしょう。

イギリスが、先進国のお手本として動けば、他の先進国も動かざるを得ません。
それによって、国同士のバランスが変わり、中国にも変化が訪れると思います。

それは、信じられないような、大きなものとなるかも知れません。

日本も人の心を示すような、模範となる姿を見せて欲しいものです。