人生の目的 その3
私たちは心の存在で、本来は姿形を持ちません。
姿形があるこの世界は、仮の居場所であり、本当の居場所は別の所にあります。
そこからこの世界へ、出たり入ったりするので、前世や来世という発想が生まれるのです。
では何のために、この世界への出入りを、繰り返すのでしょうか。
それもむりやりではなく、自ら行っているようなのです。
そこには何か目的があるとしか思えません。
そして、それこそが一人一人の、人生の目的だと言えるでしょう。
人はそれぞれ事情が違いますから、同じ世界の同じ環境に生まれたとしても、抱えた目的は様々だと思います。
だからこそ、同じように育てたはずの兄弟姉妹なのに、一人一人が全然違う性格や好みを持っていて、生き方や育ち方が異なって来るのでしょう。
しかし、自分が目的を持って生まれて来たことなど、誰も覚えてはいません。
そのため、自分が置かれた環境に不満を持ち、親に対して、産んでくれと頼んだ覚えはない、などという言葉を、口にするようになるのです。
私たちは今の人生で、何らかの形で成功したいと望みます。
お金をたくさん稼いで、好きなことを一杯やりたい。
素敵な人と一緒になって、楽しい結婚生活を送りたい。
有名になって、みんなから注目されたい。
他にもいろいろ望みはあるでしょう。
でもその望みが、人生の本当の目的であることは、少ないかも知れません。
私たちが普段の意識で、考える人生の目的と、産まれて来る前に、決めていた人生の目的は、別なのです。
どちらが重要なのかは、決まっています。
それは産まれて来る前に、決めた目的の方です。
その重要な目的を果たすためには、恐らく最適な環境を、選んで産まれるでしょう。
つまり、私たちが産まれた家や地域の環境は、自分の目的に応じたものなのです。
人によっては、自分が置かれた環境が、恵まれていないように、思えるかも知れません。
しかし、そこには何か理由があるのです。
ただ、つらい、苦しい、悲しい、しんどい、などと不満を述べるだけでなく、その嫌な環境に、どんな意味があるのかを、探ってみるといいと思います。
それは、その環境から飛び出すための、原動力になるのかも知れません。
嫌な経験を積むことで、他の人の苦しみを、理解できるようになるためとも、考えられます。
あるいは、つらさを知ることで、より深く喜びを感じられるようになる、ということもあるでしょう。
自分の人生にとって、重要な人との出会いが、その苦しい環境の中に、組み込まれていることも有り得ます。
もしかしたら、誰かを支えるために、つらい立場を買って出た可能性もあります。
この場合、その人は相当強い覚悟と精神力を、持ち合わせているのだと思います。
いずれにしても、そこにどんな計画が隠されているのかは、人によって違うでしょうし、本人でなければ、知りようがありません。
その本人も、つらい環境の下で、ネガティブな思いばかりを募らせていたのでは、そこに隠された秘密に、気がつかないかも知れません。
でも、どんな環境や境遇にも、必ず理由があるでしょうから、それを探ってみると、人生の受け止め方が、違ったものになると思います。
ちなみに、前世で悪いことをしたから、今世でひどい目に遭わされているのだ、というような考え方は正しくありません。
自分の人生は、自分で選んでいるのです。
人生に組み込まれているのは、罰ではなく学びです。
どんなことが学べるかは、その人次第です。
とにかく、人生には目的はあると、考えて下さい。
そして、その目的は他の誰かのためではなく、自分自身のために、自分で決めたものだと理解して下さい。
本当にそうなのかと、疑いたくなるとは思います。
でも自分の人生は、自分で選んだのだと考えると、気持ちが楽になるのは、間違いありません。
真偽を確かめるのは、あとにして、自分は自分の意志で、産まれて来たのだと思うようにしてみて下さい。
そうすれば、きっと新たな人生が経験できると思います。