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立体映画としての世界

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 ※mohamed HassanさんによるPixabayからの画像です。

みなさんは、お気に入りの映画はありますか。

何度も観たくなるような映画では、主人公や登場人物と気持ちを一つにして、自分がその人物になったような気分になるでしょう。

創られた物語であることがわかっているのに、主人公たちを襲う危難にハラハラし、涙するのは、心情的に主人公たちと、一体化している証だと思います。

最近の映画館で観る映画は、3D映像で上映することがあります。

映像を立体化するだけでなく、音響に合わせてイスが振動したりと、臨場感たっぷりです。

街中を歩いているシーンなどでは、自分も映像の中の街に、いるような気分にさせられます。

それでも映像を観ている自分と、映像の中の人たちとは、別々の存在であることを、私たちは自覚しています。

 ※Amit KumarさんによるPixabayからの画像です。

いくら映画に夢中になっていても、映画を観て楽しんでいるという、感覚が残っています。

コンピューターゲームのような、バーチャル世界だと、自分自身が映像の中に、入り込んだ感覚があるでしょう。

でもゲームの中では、自分が何もしなければ、自分が置かれた環境は、いつまでも同じままです。

しかし映画の場合は、ストーリーがあり、黙っていても話が進んで行きます。

それに合わせて、画面はどんどん変わり、観客はその変化に対して、為す術がないまま、登場人物が状況に翻弄される様子を、共に体験するだけです。

もし立体映画の中に、バーチャルゲームのように入り込めたら、どうでしょうか。

あなたは映画の中の登場人物と、まさに一体化するのです。

ただし、いろんな場面で何を感じ、どう考え、どんな行動を取るのかは、登場人物に任されています。

あなたは登場人物の心になりきって、登場人物の心の動きを、自分の心の動きだととらえて体験します。

それは夢の世界にいるのと同じで、実は自分が映画を鑑賞しているのだということなど、すっかり忘れているでしょう。

 ※RAEng_PublicationsさんによるPixabayからの画像です。

何かを考えているつもりでも、実はそれは登場人物の考えであって、あなた自身のオリジナルの考えではありません。

でも、その事にあなた自身は、まったく気がつかないのです。

そんな状態を、想像できるでしょうか。

何かを考え、行動しているつもりなのに、実は自分は何も考えていないし、行動もしていないのです。

あなたはただ黙って、その人物と経験を、共有しているだけなのです。

そして、私たちが経験しているこの世界が、まさにそのような立体映画なのだとしたら、どうでしょうか。

そんなことないよ、私は自分で考えてる。

そう反論したくはなるでしょう。
でも、果たしてそれは真実でしょうか。

そう考えることも、実は想定されているだけなのかも知れません。

 ※press 👍 and ⭐さんによるPixabayからの画像です。

どうして、こんなことを言うのかといいますと、自分という概念について、考えて欲しいからなのです。

この世界を疑い、この世界とは別に存在している、自分というものを、想定できたとすれば、それはあなたのオリジナルの思考でしょう。

映画の中の人物が、他の世界について、思いを馳せるように、想定されていたとしても、実際に他の世界について、理解することはありません。

他の世界を理解できるのは、その世界とのつながりを、感じられる者だけです。

本当の自分はこの世界の外にいて、今はこの世界を体験しているだけだと、イメージできたとすれば、それはあなたのオリジナルの思考だと言えます。

その状態で、この世界を体験するのは、夢を夢だと自覚して、見ているようなものです。

ほとんどの人は、そんなことなど考えもしないでしょう。

それは元の意識はぐっすり眠ったまま、夢の世界でもがいているのと同じです。

夢を夢だと自覚できれば、夢の内容をコントロールすることが、できるようになります。

でも、自覚できなければ、夢の中の動きに、翻弄されるだけです。

もし、あなたが今の世界で、周囲の状況に翻弄されているように、感じていたならば、それはこの世界に、どっぷり浸かり過ぎているということです。

 ※Aku DigressさんによるPixabayからの画像です。

この世界にいる自分を、離れた所から客観的に眺めるようにすれば、状況をコントロールできると思います。

それは自分が体験している立体映画を、別のストーリーのものに変えられるということです。

辛いことばかりだった映画が、楽しい映画に変わるのです。

生きているのが嫌になる映画が、ずっと生きていたいと思う映画になるのです。

今の自分の考えや価値観が、本当に自分のものなのか、今一度考えて見て下さい。

たとえ、そうやって考えることが、想定された思考だったとしても、それをジャンプ台にして、本来の思考を、取り戻すことができるでしょう。