人生は電動アシスト付自転車
電動アシスト付自転車は、自力でペダルを漕ぐと、電動モーターが動き出して、ペダルを漕ぐ力を軽減してくれます。
つまり電動モーターは、あくまでも補助であって、主力ではないのです。
ポイントは、まずは自分でペダルを踏むことです。
ペダルを踏まなければ、モーターが勝手に動いて、どこかへ運んでくれるわけではありません。
その代わり、その電動モーターの補助力は、かなりのものです。
普段体を鍛えていない人が見れば、これは大変だと思うような坂道でも、モーターが補助してくれるお陰で、すいすいと登って行けます。
普通の自転車であれば、こうは行きません。
すぐにへとへとになって、坂道を登ることを、諦めてしまうでしょう。
これは、人生とよく似ていると思います。
多くの人が、みんな同じ世界に住み、同じように生きていると、信じているでしょう。
それなのに、自分と他の人たちが違うのは何故だろうと、思うことがあるのではないでしょうか。
あの人ばかり上手く行って、自分はちっとも上手く行かない。
どうしてみんなは、そんなに平気な顔で生きているのだろう。
どうすれば、自分がやりたい事をやって、暮らして行けるのだろうか。
こんな風に考えてしまいますよね。
でも、そんな時、あなたの目には、みんなが同じ自転車に乗っているように、見えているのです。
自転車と言っても、いろんな種類があります。
競走用の自転車もあれば、買い物などに使う、いわゆるママチャリと呼ばれる自転車もあります。
電動アシスト付自転車は説明しましたが、ペダルを漕がなくてもいい、電動モーターだけで動く自転車もあるようです。
これではバイクと同じですよね。
そう言えば、50ccバイクを原動機付自転車と呼びますが、これも昔は、本当に原動機が付いた自転車だったのです。
ペダルを漕いでも進めますが、原動機の力だけで動くこともできるのです。
当然、漕がなくても進む方が楽ですから、そのうちペダルがいらなくなり、今のようなバイクの形になったのでしょう。
このように自転車と言っても、いろいろあるわけです。
人生を苦もなく進んでいるように見える人は、そうでない人とは、事情が違うのです。
たとえば、親の力を利用して生きている人。
こんな人たちは苦労知らずで、何でも欲しい物を、気ままに手に入れます。
苦労をしないから、他人を気遣うことが、あまり上手ではありません。
彼らの乗る自転車は、アシストではない電動自転車、あるいは原動機付自転車です。
楽に速く移動できる事だけが、自転車の喜びだと信じる傾向が、彼らにはあります。
しかし、親の力がなくなり、自転車のモーターが動かせなくなると、大変です。
自分でペダルを漕ぐことがなかったので、どうやって進めばいいのかもわかりません。
順調だったはずの人生は止まってしまい、途方に暮れるしかありません。
苦労を重ね、体を鍛えた人は、乗る自転車を選びません。
その時に手に入れた自転車を、自在に乗りこなします。
競争やスピードを楽しむこともありますが、ゆっくりと走って、景色を楽しむこともします。
それでも、思いがけない事故や災害、あるいは病気のために、自慢の自転車に乗れなくなるかも知れません。
周りを見ると、体も鍛えていないし、上等の自転車もないので、ヒィヒィ言いながら、普通の自転車を漕いでいる人が、大半のように見えます。
中には、疲れ切ってしまって、ペダルを漕ぐことを、やめてしまった人もいます。
しかしそんな中に、自分や他の普通の人たちと、見た目は何も変わらないのに、何だか上手く人生を、やり過ごしている人がいます。
そんな人が乗っている自転車こそが、電動アシスト付自転車なのです。
大抵の人は何かやりたい事があっても、でもお金がないからできないとか、そんな事できるわけないよね、なんて考えて、自分で自分にブレーキをかけています。
やってみないとわからない事を、失敗する事を恐れて、初めから結果がわかっているような顔で、自分を制御してしまうのです。
これでは人生を進んでいるようで、立ち止まっているのと同じです。
しかし、自分がやりたい事があれば、ためらいもせずに、そこへ飛び込んで行く人たちは、自分を制御する事はありません。
特に、何かに夢中になっている子供は、みんなそうですね。
上手く行かないようであれば、上手く行く道を探すだけです。
もしかしたら、だめかも知れないなんて、考えないのです。
他の人から見れば失敗のように思えても、その人たち自身は、失敗とは受け止めません。
たとえば、目の前を絶ち塞ぐ壁があったとします。
多くの人は、もう前には行けないのだと考えます。
でも、この人たちは、そうか、別の道を探れという事か、と受け止めるのです。
他の人たちにとっては、悪い状況に見えても、この人たちには、全てが道しるべに見えるのです。
すると、障害と呼べるものはなくなり、スイスイと進んで行けるのです。
不思議なことに、こんな感じで動いていると、思いがけない所から、いい情報が舞い込んで来たり、力を貸してくれる人が現れます。
なかなか信じられないかも知れませんが、本当にそうなんです。
まずは何があっても、悪く受け止めないようにして下さい。
悪く受け止めなければ、不安が消えます。
不安が消えれば、自分を制御することも、なくなります。
そうして自分がやりたい事に向かって、まっしぐらに進めば、どんどん楽しい方向へ、状況は変わって行くでしょう。
途中で大きな障害が起こったように見えた時は、自分の気持ちがぶれていないかを、見直しましょう。
もし、ぶれていないのであれば、それは新たなステージで、新たな楽しみが待っているという事です。
決して諦めず、人生のペダルを漕ぎ続けて下さい。
きっと、普通だった自転車が、電動アシスト付自転車に、変わっていることでしょう。