無償の愛4
日常的な思考を止め、心の中に溜め込んだものを、洗い流せたならば、あなたは自分が元いた所との、つながりに気づくでしょう。
私たちは世界から、分離されているわけではありません。
しかし、あたかも分離されているかのような、日常の暮らしや価値観が、世界とのつながりをわからなくさせているのです。
ですから瞑想をしたり、大自然に触れたり、お風呂でぼんやりする事で、頭の中をリセットすれば、あなたの意識は世界とのつながりを、認識できるようになります。
本来のあなたという存在は、あなたが思っているよりも、遥かに大きな存在です。
今の自分というものは、その大きな存在の端っこの部分に、意識の焦点を合わせているだけなのです。
そして、普段の私たちは、その端っこの部分だけが、自分という存在なのだと、思い込んでいるわけです。
しかし、世界とのつながりを感じるようになると、意識の焦点が端っこから、もっと奥の方へと移動します。
ずっと奥の方へ、焦点を移動させる事ができたなら、体外離脱体験や夢の世界のような、特別な経験ができます。
でも、そこまでしなくても、端っこから少し奥へ、焦点を移動させただけで、あなたの意識は大きく変化します。
愛を感じる力が強くなり、いろんな物事を、受け入れられるようになります。
嫌いな人や、嫌なことが好きになるというのではなく、そういう人や物事を、受け入れられるようになるのです。
本当に全てが一つだと理解できたなら、敵対するものなど、存在しないという事が、わかるでしょう。
みんな元は同じなのですから、異質に見えても、本当の敵ではないのです。
それでも現実世界では、敵に見えるものがいます。
普通はその相手を、敵としか見ないでしょう。
しかし、愛の意識で相手を眺めると、どうして相手がそのように振る舞うのかが、見えて来るのです。
たとえ極悪人に見えようと、独裁者に見えようと、利己主義の塊に見えようと、その人の心が苦しんでいることが、理解できます。
だからと言って、現実世界で彼らに、好きなようにさせればいい、と言うのではありません。
自分を表現できる世界を守るために、必要な行動を取ることは、当然のことです。
そうして自分の世界を守りながら、相手のことは憎まず、早く苦しみから解放されるようにと、願ってあげるのです。
相手を憎んだり、相手と同じような事をすると、せっかく感じられるようになった愛が、わからなくなってしまいます。
愛を感じられるようになったなら、その感覚を維持できるようにするのが、いいでしょう。
また、意識の焦点を、端っこから奥へ移動させると、端っこにあった自分の意識を、客観的かつ愛をもって、眺めることができます。
自分に自信がなくて、自分を低く見ていたり、嫌な経験から立ち直れなままでいる自分。
そんな日常の自分を、高い視点に導くことができるのです。
人が悩む時は、問題を見ている視点が低いのです。
それは言い換えれば、固定観念や根拠のない価値観などが、問題解決の邪魔をしているという事です。
しかし、物事を高い視点から眺められるようになれば、問題を解決するには、どうすればいいのかが見えて来るのです。
仕事が順調で、自信満々の自分を、眺めることもあるでしょう。
そして、順調だと思っていた事に、何の価値もなく、本当に価値がある事を、何一つできていないと、気づくかも知れません。
愛に近づくと、本当の知性も高まります。
それは全ての存在に、近くなるからです。
そして、どんな悩みや問題を抱えている自分を、受け入れることができるようになります。
愛を感じる対象には、自分自身も入ります。
嫌な自分を許し、受け入れ、愛せるようになるのです。
それは他の人たちを許し、受け入れ、愛するのと同じことです。
逆に言えば、自分を許せない人は、他人を許せません。
自分を愛せない人は、他人を愛することができないのです。
でも、それは日常にいる、全体の端っこにある意識だけで、考えていることです。
本当の自分というものは、愛の世界に存在します。
心の奥に押し込めた愛の中を、探って下さい。
必ず、本当の自分に出会えるでしょう。