国境をなくすには2
今の社会は、一番上に位置する権力者たちが、自分たちの地位や権利を守るために、作ったものです。
権力者たちは、自分に忠実な者たちを引き上げて、自分の周囲を固めます。
引き上げてもらった者たちも、同じように、自分に従う者を引き上げて、味方にします。
同様のことが繰り返され、上の者の言葉に従うことが、当たり前という考え方が、ピラミッド社会の、裾野まで広がっています。
これは一種の洗脳なのです。
権力者は、お金で人を動かそうとします。
そのため、お金に困る人が必要です。
つまり、貧困者です。
貧困者がいなくなれば、誰もお金では言うことを、聞かなくなってしまいます。
貧困をなくそうと、きれい事を口にする、権力者はいます。
でも本気で、貧困をなくすつもりはありません。
今の世の中は、他人と比較され、他人との競争を強いられます。
競争に負ければ悲惨な目に遭うのだと、信じ込まされます。
子供の頃から、受験戦争という形で、そういう考え方を、植え付けられるのです。
やりたい事をするために、勉強するのではありません。
いい会社に入れるように、勉強をするのです。
いい会社は多くないので、競争です。
そういう事をさせながら、それがこの社会のルールなのだと、子供たちに教え込むわけです。
特技や能力がある者は、こんな社会でも、それなりに上に、上がることができます。
でも、それができない者もいるわけです。
そういう人たちの中で、自分は無能なのだと、信じてしまう人もいます。
そんな人は、自分の立場を高くするために、誰かを蹴落とそうとする事があります。
自分よりも立場の弱い者がいることで、安心するのですね。
その結果が、いじめや差別なのです。
それは貧困にも、つながります。
そんな中で、絶望して病気になったり、自殺をする人が出て来ます。
悪い事をしてでも、生き延びようと考える者も、現れます。
あるいは社会への憎しみを、無差別にぶつけたくなる者も、現れるでしょう。
つまり、貧困や差別を生み、さらには多くの犯罪を生んでいるのは、今の世の中なのです。
全ての原因は、かさぶたのように地球全体を覆う、歪んだ社会にあるのです。
競争というものは、本人たちが楽しめるのであれば、問題はありません。
互いに相手を尊敬し、褒め称えられるような、競争であればいいのです。
問題なのは、権力者のために、無益な競争を強いられることです。
そして、それによって歪んだ価値観を、すり込まれてしまうことなのです。
そういう価値観は、人間が本来持つべき価値観とは、大きくかけ離れています。
つまり、その価値観を植え付けられることで、人間としての可能性を、見失ってしまうわけです。
みんな、権力者の利益のために、騙されて利用されているのです。
これは世界中の人々に、言えることです。
みんながそのことに気がつけば、今の社会構造は、大きく変化するでしょう。
人が人として生きる喜びを、感じられる社会になるのです。
見た目はこれまでと、それほど変わっていないように、見えるかも知れません。
しかし、働く人々の心の中が、以前とは全然違うものになっているでしょう。
他人と競争しながら、お金を稼ぐというのではなく、自分がやりたい事をすることで、他の人にも喜んでもらう。
そこに生き甲斐を感じて、働くような社会です。
そんな社会が、世界中の国で作られるようになれば、自然と国境は意味を失って行くでしょう。
かつて多くの国が集まっていた日本は、平和な一つの国になりました。
それと同じように、世界は国境を越えて、地球という一つの世界を、築くことになるのです。