国境をなくすには1
国と国の間には、国境があります。
それは、それぞれの国の主権を、守るためのものです。
言い換えれば、他国からの侵入を許さない、意思表示であります。
でも、世界が本当の意味で一つになるには、国境はない方がいいのです。
日本も戦国時代と呼ばれた頃、多くの戦国大名たちが、領土の拡張、奪い合いを繰り返し、せめぎ合っていました。
江戸時代になると、徳川幕府が全国を支配しました。
しかし、各地域はそれぞれの大名が治め、領地と領地の間は、国境として関所が置かれて、人々の出入りを管理していました。
明治時代になると、大名ではなく知事がその地域を、治めることになりました。
国境は県境となり、人々は日本中どこにでも、自由に移動をすることが、できるようになったのです。
その延長に、今の日本があります。
今の日本は、各地域の独自の文化が、残されています。
地域の人は、自分たちの暮らしや文化を、大切にしています。
一方で、国民の誰もが、自分は日本人だという、意識を持っています。
どこへ行っても日本ですから、どこの県へ行くにも、抵抗感は全くありません。
現在の世界の国々も、これと同じように、国境というものをなくすか、あるいは無意味なものにすればどうかと、私は思うのです。
別に国境などなくても、それぞれの地域に暮らす人々が、平和に暮らせるのであれば、何も問題はないでしょう。
EUは加盟国同士で国境を開放しています。
でも、それはあくまで経済圏という概念であって、一つの国になったわけではありません。
経済格差も大きく、これからと言ったところでしょう。
でも、方向性は間違っていないと思います。
他の国々も、一つの国のようになれればいいのですが、まずはお互いを理解し、尊敬し合えるようになる、必要があるでしょう。
それに、いきなり国境をなくしたりすると、悪い企みを持った者たちが、自由に行き来するようにもなります。
平和のための国境開放ですから、それは防がねばなりません。
ですから、そういう者がいないような、世の中にしながら、国境をなくしていくというのが、いいと思います。
これはEUでも、考えねばならないことでしょう。
では、どうやって悪い企みを持つ者を、なくすのでしょうか。
誰も悪いことをするために、産まれて来てはいません。
産まれた時は、誰もが可愛い赤ちゃんです。
それなのに、成長の段階で、悪いことをするようになる人が、出て来るのです。
でも、それにはそうなるだけの理由があるはずです。
そして、その多くの原因は、貧困や差別にあると、私は考えています。
つまり、世界中の貧困や差別をなくせば、いいのです。
そうすれば、自ずと犯罪は減って行くでしょう。
また、貧困がなくなれば、国の経済格差も埋まって行くでしょう。
犯罪が減り、経済格差もなくなれば、国境を厳格に考える理由が、なくなるのです。
では、貧困や差別は、どうすればなくなるのでしょうか。
貧困や差別が生まれる原因を、探ればいいのです。
これらの原因は同じです。
それは、エゴイズムです。
自分だけがいい思いをしたい、自分だけが優位でいたい、という思いです。