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資本主義の次に来るもの その3

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世界中の人々が、お互いを思いやって、無償で働くようになれば、資本主義経済は必要なくなります。

しかし、具体的にどうすれば、そんな事ができるのでしょうか。

世の中には、報償がもらえないと、人間はやる気を失うという、思い込みがあります。

これは間違いとは言えませんが、正しい表現ではありません。

 ※GoumbikさんによるPixabayからの画像です。

大抵の人は、報償という言葉に、お金を結びつけます。

つまり、お金がもらえないと、人間はやる気が出ない、という事です。

しかし、喜びがないと、人間はやる気が起こらない、というのが正しい表現でしょう。

そして、喜びというものは、人によって違います。

お金を喜びと考える人もいれば、達成感を喜びとする人もいるでしょう。

挑戦する事を喜ぶ人もいれば、誰かの笑顔を喜ぶ人もいるのです。

お金を喜びと考えるのは、その人の自由です。

しかし世界中の人が、お金を喜びとするべきだ、というような発想は、明らかに間違っています。

また、人間心理を考えると、明らかに不自然な発想なのです。

ところで他の人のために、無償で働く場合、どんな喜びが大切でしょうか。

それは基本的には、誰かの笑顔です。

 ※Free-PhotosさんによるPixabayからの画像です。

自分の行為によって、誰かが喜んでくれる。

それが嬉しいという気持ちが、新たな原動力になるのです。

挑戦する喜びや、達成感なども、お金に替わる喜びになります。

ただ、応援してくれる人や、暮らしを支えてくれる人たちへの、感謝の気持ちが必要です。

そうでなければ、ただの独りよがりに、なってしまいます。

自分の挑戦や達成が、人々への勇気や励ましになるという、自覚も大きな力になるのです。


実際、誰かの笑顔を動機にして、活躍している人たちがいます。

その人たちの活動は、インターネットの中で見られます。

インターネットでは、世界中の親切な人々が、自分たちが開発したプログラムを、無償で使えるように、提供してくれています。

Wikipediaのような百科事典サイトや、辞書・辞典のサイトも、同じです。

これらのサイトのお陰で、どれほど多くの人が助かっている事でしょう。

また、多くのNGOや、ボランティアの方たちも、誰かの喜びを力に変えています。

みなさん、お金が中心の世界の中で、いろいろ苦労をされながら、自分が思った事をされているのだと思います。

生活費や運営費が、必要ない環境にあれば、さらなる力を発揮される事でしょう。


そんな助け合いや思いやりを、基盤とした暮らしを実現するためには、どうすればいいでしょうか。

それには、どこかにモデル地区となる町を、作ればいいと思います。

 ※David MarkさんによるPixabayからの画像です。

その地区では、人々が助け合う事で、自給自足の暮らしをするのです。

誰もが何らかの形で、誰かに貢献できる町造りです。

食料や物を、作る仕事だけではありません。

芸術やスポーツなど、心の成長や癒やしに、貢献できる仕事も求められます。

怪我や病気で動けなくなった人は、何もできないと思ってはいけません。

休むべき時は、誰もが休めばいいという、発想が大切です。

大切な人は、そこにいてくれるだけでも、ありがたい。
そう思えるような、気持ちも大事です。

それに、具合が悪くなった人は、同じような人の気持ちが、理解できるでしょう。

どんな環境が、そういう人には必要なのかも、わかるはずです。

そう考えれば、具合が悪くなる事も、一種の調査作業となるのです。

原始的ではない、自給自足の暮らしとなれば、いろんな業種が必要になります。

それには、多くの人が必要とされるでしょう。

そのために、モデル地区である意義を、理解してもらった上で、世界中から参加者を、募ればいいでしょう。

きっと参加を希望する人が、殺到すると思います。

 ※PublicDomainPicturesさんによるPixabayからの画像です。

その町で必要なエネルギーは、基本的には、自然再生エネルギーを使います。

それで足らないエネルギーや、町で生産できない物資については、他の町から調達します。

できれば調達先の町も、同様のモデル地区にするといいでしょう。

そういうモデル地区を、あちこちに造り、互いの足らない部分を、補完し合うのです。

当初の必要経費は、国が出します。

モデル地区ですから、投資のつもりで、税金を投入すればいいのです。

どうしても海外から、輸入しないといけない物があれば、そこも税金を使います。

しかしモデル地区の趣旨を、理解してもらえる国であれば、国同士で協力し合う事もできるでしょう。

お互いに無償で、物資や技術を融通し合う事も、できると思います。

ただ、輸送のコストについては、馬鹿にならないでしょう。

産油国などの協力が得られれば、いいのですが、温暖化のことも考えますと、一刻も早いフリーエネルギーの登場が、待たれるところです。

逆に言えば、フリーエネルギーが開発され、誰でも無償で利用できるようになれば、このモデル地区計画は、間違いなく成功すると思います。

そして、そのシステムは瞬く間に、世界中に広がることでしょう。

このシステムが世界に広がる意義は、単に人々が暮らしやすくなる、というだけではありません。

助け合いと思いやりが、基盤になっているのです。

助け合いは、お互いに相手への、感謝も生むでしょう。

助け合いと思いやりに、感謝が加わるのです。

人々の信頼関係に、疑いが入る余地は、なくなるでしょう。

それは争い事が、なくなる事を意味します。

国境問題も、人種差別問題も、人々を分断するような問題は、全て消え去るでしょう。

世界の人々が国境を越えて、心を一つにするのです。

それは人類が自分たちを、地球人だと認識するようになる時なのです。