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資本主義と社会主義(共産主義) その3

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資本主義にも問題があり、社会主義もだめ。

では、どうすればいいのでしょうか。

資本主義にしても社会主義にしても、経済学者や思想家が考えたもので、ただの理屈です。

そこに一般の人々の心理を、考慮しているとは思えません。

国民は黙って国が決めた事に、従えばいいのだと言わんばかりです。

社会主義が役に立たないのは、ソ連の崩壊で実証されています。

中国などの社会主義国が、現実には資本主義経済を取り込んでいる事でも、同じ事が言えるでしょう。

しかし資本主義経済も、今や断末魔を上げているかのようです。

 ※Zeeshan ShafiqueさんによるPixabayからの画像です。

自国では人件費が高くつくからと、賃金が安い貧困国に、工場を作る企業は、世界中にあります。

その国の経済が良くなって、人件費が上がって来ると、別の貧しい国へ、工場を移転させます。

このやり方では、最後の国が豊かになれば、工場を移す所が、なくなってしまうでしょう。

逆に言えば、資本主義経済においては、貧困がなくてはならないわけです。

貧困がなくなる事は、資本主義の終わりを意味しています。

だから貧しい国が、先進国の地位に引き上げられる事はありません。

ある程度の経済発展は認めても、先進国の地位を脅かすほど、発展されては困るのです。

そのため貧しい国は、いつも豊かな国に利用されています。

そもそも貧しい国々は、かつては大国の植民地にされていました。

植民地の人々は、支配者たちに仕える、召使いだったのです。

今は支配者と召使いの関係は、表向きにはなくなっています。

しかし多くの権力者たちが、貧しい国の人々を見る目線は、昔と大差はないと思います。

 ※Amber ClayさんによるPixabayからの画像です。

自分が儲かるためには、相手の事など、どうだっていい。

それが資本主義の毒に、冒された者たちの、発想なのです。

その姿勢は、貧困な国に対してだけでなく、自国の人間に対しても同じです。

ですから、資本主義に代わる経済システムを、考えようという動きが出たのは、必然と言えるでしょう。

ただ、社会主義というやり方は、国民から自由と喜びを奪い、ただの生産ロボットにしてしまう愚策でした。

しかし社会主義の失敗は、資本主義が正しいという証にはなりません。

資本主義に問題があるのは、明らかなのです。

では、本当に正しいやり方とは、どのようなものでしょうか。

それは世界中の人々が、互いに感謝と思いやりを持つ事を、基本としたものです。

 ※swamianandaさんによるPixabayからの画像です。

経済に限った事ではありませんが、上から押しつけられると、うまく行かないものなのです。

そうではなく、人々が自分たちで考え、納得できるものであるべきです。

具体的に言えば、誰に対しても、家族のように接するのです。

その人の喜ぶ顔を自分の喜びとし、困っていれば、何としても助けるのです。

そういう事をむりやりするのではなく、自然な気持ちの結果として、できるようになればいいのです。

そんな人々の発想や行動が、結果的に経済という形になるでしょう。

ただ、こうなると経済という表現や発想は、適切ではないかも知れません。

経済という考え方の根底には、人々は他人同士という前提が、隠されています。

みんなが家族になってしまうと、経済という言葉は、不適切と言えるでしょう。

いずれにしても、今の経済システムに変わる、新たな生産・流通・消費の形態が、求められています。

その叩き台となるのが、スペインなどで導入が決められている、ベーシックインカムです。


しかしベーシックインカムは、全ての解決策ではありません。

ベーシックインカムをスタートラインにして、新たな世界へ踏み込みたいものです。