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資本主義と社会主義(共産主義) その2

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自由競争である、資本主義経済が発展すると、貧富の差が広がりました。

その原因は、個人の利潤追求にあり、資金力の強い所が、冨を独占している。

そんな批判の下に、新たな経済システムが考えられました。
それが社会主義です。

社会主義では、経済の自由を個人から取り上げ、全てを国が、取り仕切る事にしたのです。

その理念には、資本家と労働者という対立をなくし、全ての者が労働者である、平等な社会とうものがありました。

労働計画は全て国が立て、国民は国から言われたとおりに働きます。

本当は違う仕事がしたかった、と言っても通りません。

この仕事をしろと言われれば、そうするしかないのです。

それに、どんなに働いても、給料が増えるわけではありません。

みんな平等ですから、働いても働かなくても、給料は同じです。

人々は国に言われたまま、ロボットのように働くだけです。

そこに喜びはありません。

 ※ergoneonさんによるPixabayからの画像です。

それに、仕事の手を抜いたところで、給料は同じなのです。

資本主義であれば、好い加減な事をすれば、クビになってしまいます。

しかし社会主義では、クビにされる事はありません。

真面目に頑張る人は、やってられないよ、となるわけです。

また、国の生産指示が、必ずしも正しいわけではありません。

それでも言われた事は、指示どおりにやるしかないのです。

そんな社会主義に、人々はやる気をなくし、生産性は低下しました。

うまく行くと思われた経済は停滞し、国民の生活は苦しくなりました。

一方で、国民に不満な平等を、押しつけた行政では、指導者たちが冨を独占しました。

国民の不満はついに爆発し、社会主義国だったソビエト連邦は崩壊しました。

 ※Pete LinforthさんによるPixabayからの画像です。

ソビエト連邦を引き継いだ形のロシアでは、資本主義を取り入れています。

また、社会主義国である中国やベトナムなどでも、経済システムに資本主義を取り込んでいます。

その結果、平等であるはずの国民には、貧富の差が広がっています。

ところで社会主義と似たようなものに、共産主義があります。

この二つは、たびたび同じものであるように、扱われています。

調べてみますと、共産主義というのは、社会主義がさらに発展した状態を、言うのだそうです。

共産主義では、あらゆる面で国民が平等なのです。

経済の面だけでなく、地位や階級などの面でも平等です。

つまり、国民を管理する政府や国家も、必要ないという事なのです。

しかし、政府や国家の存在しない国や地域は、存在しません。

共産党が一党独裁を行っている、中国などの国は、共産主義国家とは言えないのです。

 ※Pete LinforthさんによるPixabayからの画像です。

共産党が支配している国は、共産主義なのかと思いがちですが、実はそうではなかったのですね。

そもそも経済に、資本主義を取り込んでいる時点で、共産主義とは言えません。

しかも、共産党の上層部が、冨を蓄えるという構造は、共産主義とはほど遠いものでしょう。

もちろん、社会主義にも当てはまりません。

では、そういう国の経済理念は、何と呼ぶべきなのでしょうか。

資本主義を取り込んではいるものの、個人の自由は、国の管理下にあります。

本当の自由競争ではありませんから、資本主義とは言えません。

政治体制については、共産党の一党独裁という言葉どおり、共産党による独裁政治です。

ですから、独裁資本主義とでも、言うべきかも知れません。

どんな主義であれ、それが国民の幸せにつながるのであれば、それで構わないと思います。

しかし独裁資本主義が、国民のためにあるのかと言われると、そうではないように思えます。