壊れる香港
昨日、香港の民主活動家である、周庭さん(アグネス・チョウさん)が、香港警察に逮捕されました。
容疑の詳細が、明らかにならないままの逮捕です。
イギリスから中国に、香港が返還されたのは、23年前のこと。
その時に、一国二制度を50年維持するという約束が、イギリスと中国の間で為されました。
しかし、中国は50年を待たずして、香港の共産化を推し進めようとしています。
そして、その都度、香港市民から猛反発をくらいました。
周庭さんは民主的な選挙を求めた、2014年の雨傘運動に参加し、それ以降、民主化運動の先頭に立って来ました。
市民が自由を求めるのは、当然のことです。
それを国家転覆を企てていると見なし、正当な理由もなく逮捕するのは、独裁政権が行う卑劣なやり方です。
中国は四大文明に数えられるほど、素晴らしい文化を持った国のはずでした。
現在の日本文化があるのも、中国があったからこそです。
しかし、いつの時代も、どこの国でも、権力者はさらなる権力を求めるものです。
権力にほころびを感じると、自らを正すのではなく、逆らう者たちの口を、封じることに専念します。
かつて大きな戦争へと、突き進んで行った日本が、そうでした。
戦争に反対すると、非国民と罵られ、特高警察に捕まえられて、拷問にかけられたのです。
人類は歴史に学び、誤った過去を、繰り返してはなりません。
そのための頭脳が、人間にはちゃんと備わっています。
戦争へ突き進んだ日本を、中国は身を持って知っているはずです。
あの時の日本が、どれほど狂っていたかを、理解していたはずです。
それなのに、今の中国は、昔の日本にそっくりです。
今の中国を擁護できる国が、あるのでしょうか。
あるとすれば、中国と同じ独裁政権だけでしょう。
ほとんどの国は、中国に対して、そっぽを向くことになると思います。
中国は経済によって、相手の国を縛ることができると、考えているように思えます。
しかし、教養の高い国ほど、そういうやり方には、逆に反発心を抱きます。
個人的にも、いくらお金をたくさん持っていても、弱い者いじめをしたり、自分がいい思いをすることしか、考えないような人と、誰が友だちになろうと思うでしょうか。
恐らく、中国は四面楚歌になるでしょう。
気の毒なのは、真面目な中国の国民です。
国が嫌われることで、そのとばっちりを、受けてしまう可能性があります。
悪いのは、今の中国政府です。
関係のない一般の中国の人たちを、決して責めるような事を、してはいけません。
そんな事をすれば、中国政府と同じになってしまいます。
これからは国境を越えて、全ての国の人々が手を取り合って、助け合わなければなりません。
自分は地球人だという感覚を、持つようにならないとだめです。
日本を訪れる、多くの中国の人たちも、そうなることを願っている人は、少なくないと思います。
中国政府がなりふり構わず、今のような暴挙に出ているのは、一党独裁体制の維持に、ただならぬ危機感を、抱いているからに違いありません。
香港は世界中から注目されているので、大きな話題になります。
でも中国本土でも、自由を求めた結果、香港の人たちと同じ目に、遭わされている人が、たくさんいるはずです。
ウィグルの人たちが、強制的に洗脳教育を、受けさせられている事も、明らかにされました。
人権派の弁護士や記者たちが、ある日捕まえられて姿を消すのも、よくある事のようです。
長江流域の長雨で、洪水が多発する中、中国政府は大都市を守るために、ダムを壊して、小さな村を水没させたりもしています。
尖閣諸島へ送り込まれる、大量の漁船団も、むりやり政府の命令で、動かされていると聞きました。
今の中国政府にとって、守るべきは国民ではなく、共産党の独裁体制と、トップに居座る者たちの、地位と権力なのです。
国民は好きなように使える、駒に過ぎません。
人口が多いだけに、代わりの駒はいくらでもいると、考えているのでしょう。
それでも多くの国民が、黙って従うとすれば、それは安定した生活を送れるからです。
政府に逆らって、ひどい目に遭うよりも、自分たちの生活を、守る方が大事です。
しかし、生活を守れないのであれば、黙っている必要はありません。
中国政府にとって、国民の経済的な安定は、命綱とも言えます。
その命綱も、世界中の国々から、そっぽを向かれては、いつプツリと切れるかわかりません。
そうならないよう、諸外国との揉めごとに、国民の目を向けさせようと、しているのでしょうか。
次から次に、中国と外国とのトラブルの話が出て来ます。
でも、今の中国国民は、昔とは違います。
政府の言うことを、鵜呑みにはしないでしょう。
どんなに情報制限をしても、その制限をかいくぐって、外の情報は国民に広がります。
今の中国が、どのような状態にあるのか、政府は国民に隠すことはできません。
いずれは、何かがきっかけになり、抑圧された国民の怒りが、爆発することになるでしょう。
もし中国が、どこかで戦争でも始めれば、間違いなく暴動が起きます。
愚かな政府のために、命を落としたいと思う、国民はいません。
中国本土の民主化を望む人たちが、各地で気勢を上げると思います。
そうなれば、共産党はあっという間に解体されるに違いありません。
周庭さんを逮捕したことで、中国政府は自分の首を、絞めたのです。
周庭さんの逮捕は、民主化運動をする人たちへの、見せしめのつもりかも知れません。
でも彼女の逮捕は、共産党独裁政治の、崩壊ののろしです。
これは、中国だけの問題ではありません。
地球全体の平和を望む人たちの、問題なのです。
地球に独裁者は必要ありません。
誰も争う理由がありません。
敵を作る必要もないのです。
多くの人が望んでいるのは、平和なのです。
自分だけがよければいい、と思っている人は、それほど多くはありません。
日本の人も、中国の人も、その他の国の人も、困っている人がいたら、助けてあげたいと思うでしょう。
自分も相手も笑顔でいられるのが、いいのです。
世界中の人々が、中国の民主化を望んでいます。
そして、周庭さんや、濡れ衣で逮捕された他の人々の、無事を心から祈っています。