異星人の介入1
現在の人間は、遺伝子を操作して、自然には存在していなかった、動物や植物を作り出すことができます。
特定の遺伝子を欠損させたり、組み込んだりして作った生き物から、病気などの研究をしています。
また、遺伝子を組み替えて、病気に強い作物や、収穫量が多い作物などを、作ることもしています。
猫の受精卵にクラゲの遺伝子を導入することで、体が光る猫を作ったことも、話題にありました。
普通、生き物は体を構成するための遺伝子を、1セット持っています。
そこへ別の生き物の遺伝子を組み込むと、二つの生き物が混ざったようになります。
そういう状態を、ギリシア神話の怪物キマイラにちなんで、キメラと言います。
怪物キマイラは頭がライオン、胴がヤギ、そして尻尾がヘビになっています。
日本の妖怪のヌエと言うのも、似たような姿ですね。
ヌエは、頭は猿、胴は狸、尾は蛇、手足は虎という姿です。
まだ、ここまでの生き物は、造られていないようですが、キメラ生物に関心を持っている研究者は、少なくないでしょう。
世界中にある神話に出て来る神とは、みんな人間と似たような姿で、描かれています。
旧約聖書の創世記に出て来る神は、人間を我々の姿に似せて作ろうと、述べています。
聖書や神話が事実を記述したものだと、断定することはできません。
しかし、全てがでっち上げだと、決めつけることもできないでしょう。
その真偽は、確かめることができません。
でも、大昔の人々の体験が、口伝てで伝えられた後、文字によって記録された、と考えることはできるでしょう。
もし、そうであるなら、その神の正体は、異星人だったのではないかと、思えるのです。
神話などで伝えられる神々は、笑いもすれば怒りもします。
何かを巡って争ったり、命を落としたりもします。
人間の女性を拐かし、孕ませたりもします。
これって、ほんとに神さまなの?
神話を読みながら、私はそう疑問を感じていました。
確かに、当時の人間よりも、優れた能力や知恵を、持っていたようですから、人々から神として、あがめられはしたでしょう。
でも、とても世界を創った神、というイメージではありません。
キリスト教の神は唯一神で、神は一人だけのはずです。
それなのに聖書によれば、神が人間を創る時、神は人間を我々の姿に似せようと、言ったのです。
我々というのは複数形です。
つまり、神は一人ではなかったわけです。
この記述からイメージできるのは、手術室や研究室のような所で、実験動物を取り囲んだ、研究者たちの姿です。
その研究者たちとは、異星人の科学者たちなのだと、私は受け止めています。
聖書がでたらめだと言う人から見れば、そもそも作り話を、異星人の証とすることが、間違っていると思うでしょう。
それは確かに、そのとおりです。
でも、でたらめでなかったとすれば、やはり神と呼ばれていた者たちは、異星人であった可能性はあると思います。
それに聖書や神話を別にしても、異星人が類人猿に、遺伝子操作を施して、人類を創った可能性は、否定できないでしょう。
異星人には、それだけの知識と技術があるはずだと、私は考えています。
すると今度は、異星人なんているわけがないし、いたとしても地球へ来るのは、科学的に不可能だ、と言う人がいるかも知れません。
でも、そういう方は、科学がどんなものかを、理解しているとは言えません。
本物の科学者であれば、宇宙の全てを、知り尽くしたようなことは、冗談でも口にしないでしょう。
彼らは、人類が知り得た宇宙の謎は、ほんの一欠片に過ぎないことを、知っています。
また、だからこそ好奇心がかきたてられ、新たな発見へ向かって、闘志を燃やすのです。