自然の猛威
世界的に、新型コロナウィルスの勢いは、まだ衰えていません。
地域的には、衰えたように見える所もあます。
しかし、人々の日常生活を元に戻せば、すぐにまた感染は増えるでしょう。
日本でも東京を中心に、各都市で感染者数が激増しています。
そして、そこから周辺地域へ、着実に感染は広がっています。
それでも国は安易に、緊急事態宣言は出せないでしょう。
出したところで、ウィルスを撲滅できるわけではありません。
それに、国民やお店の経営者へ、経済支援をする余裕もないようです。
できればお金を出したくないでしょうから、宣言はしたくないのです。
しかし国や県の指示を、待っている暇はありません。
結局は一人一人が、自分で考えて行動するよりないのです。
我が身は自分で守りながら、困っている者がいれば、手を差し伸べる。
自分の行動によって、他の人に迷惑がかからないかを、常に考える。
コロナウィルスに限ったことではありませんが、これが基本だと思います。
コロナ騒ぎが終息したとしても、すぐにまた、次の新たなウィルスが登場するでしょう。
人間への感染能力を持った、コロナウィルスが現れたのは、偶然ではありません。
動物から人へ感染する機会が増えたから、今の状況になったのです。
現に中国では、人に感染する能力を持った、新型インフルエンザウィルスが、豚から発見されています。
中国当局は問題視していないようですが、新型コロナウィルスの時も、医療現場からの警告は無視されていたのです。
他にも、人に感染して死に至らしめる、新たなウィルスの出現の可能性は、常にあると考えねばなりません。
新型コロナウィルスが、特別であるはずがないのです。
コロナウィルス自体が、今後どのように変異するかは、わかりません。
今より感染率・致死率が高くなることも、考えられます。
また、別の新たなウィルスは、若い人でも重篤になるかも知れません。
そういうことは想定できることです。
現在のコロナウィルスで、軽症者が多いからと高をくくっていると、あとで手ひどい目に遭わされるでしょう。
私たちは新型コロナウィルスの広がりで、右往左往しています。
でも、これは今後必ず起こるであろう、もっと強力なウィルスの拡散に備えた、予行演習だと考えるべきだと思います。
動物から人に感染する、ウィルスの出現について、人間による環境破壊が、原因だという考えがあります。
森林を伐採し、開拓をすることで、自然の動物が暮らす領域は、狭められます。
そこへ、最近の異常気象が追い打ちをかけ、動物たちは餌を求めて、人里へ現れるようになります。
人間と動物が接触する機会が、増えているのは確かです。
それが動物から人への、ウィルス感染が起こる理由だという考えは、間違いではないと思います。
しかし、私はそれだけが理由ではないと、考えています。
人間が動物に及ぼしている悪影響は、異常気象だけではありません。
大気汚染や電磁波、酸性雨による土壌や水の汚染。
こういうものも自然の生き物たちに、影響を与えているのではないかと思うのです。
それは、すぐにバタバタ死ぬような、悪影響ではないでしょう。
でも、動物たちの体力を蝕み、免疫力の低下を招いていることは、十分に考えられます。
それによって、ウィルスに感染する個体が増えます。
そうなると、動物を食する人たちに、そのウィルスが感染する機会も増えるのです。
動物の間でウィルスが広まったとしても、ウィルスの毒性が強くなければ、その動物が死ぬことはありません。
人間で言えば、多くの若い人が、あまり症状を感じない、というのと同じです。
しかし、その動物が人間に捕まり、ウィルスが人間に感染すると、そのウィルスが強い毒性を示すことがあるのです。
動物と人間との接触が、ウィルス感染の原因だとすれば、今後の感染を防ぐ根本的な対策は、両者が接触しないような、環境を作ることでしょう。
短期的対策としては、自然の動物を食べたり、飼育するのを禁止することです。
長期的には、動物たちが人里へ来ないよう、生息するための領域を、確保してやることです。
とにかくお金を稼ぐために、むやみに自然環境を破壊することを、やめなければなりません。
コロナウィルスに限らず、温暖化による気候変動、それに伴う水害や干魃、巨大台風やハリケーン、猛暑や冷害あるいは冷夏や暖冬など、多くの自然災害が猛威を振るっています。
日本も毎年のように、水害に襲われています。
世界中で洪水が起こり、中国の長江流域も、大洪水に見舞われています。
他にも、大量のバッタなどの虫害、海面上昇による高潮、山火事、大地震などがあります。
その結果、食糧難や飢餓、怪我や病気、あるいは死亡と、多くの被害が出ています。
しかし、これらのうち地震以外は全て、人間の勝手な振る舞いが、影響していると考えられるのです。
同じような勝手な振る舞いは、人間社会の中でも見られます。
自分さえよければいいという、自分勝手な考えは、多くの国々に蔓延しています。
コロナ騒ぎは、そう言った人間社会の、醜い部分を露わにしました。
今の世界は、権力を握る人々の大半が、自分勝手な考えを、持っているように見えます。
国民に対しても、都合のよい者を優遇し、そうでない者は死んでも構わない、という姿勢です。
自国民の扱いがそんな感じですから、他国の人間に対しては、もっと冷酷です。
ましてや人間ではない、自然の生き物や環境に対して、気遣いを見せるなど、到底無理でしょう。
何か行動を見せるとしても、それは損得勘定で動くだけです。
他の人々や、自然の生き物を思いやる気持ちで、動くわけではありません。
ですから、これは損をするぞと思うと、手のひらを返したように、行動するのをやめてしまいます。
世界を動かせる地位にいるのに、そのために必要な知性も思いやりも、持ち合わせていないのです。
そして、その結果が、今の世界の状況なのです。
今の地球の環境を見て、自然が人間に牙をむいたと、受け止める人もいるでしょう。
しかし、自然はそんなことはしません。
向けられた力に対して、それに応じた反応を、示しているだけです。
別に自然が人間を嫌ったり、人間を排除しようと、しているわけではありません。
人間の方が自然に対し、勝手に喧嘩を売って、勝手に怪我をしているのです。
ちょうど、大きな壁に思いきり投げつけた球が、跳ね返って自分に当たったような感じです。
人はせっかくの知性を、もっとうまく活用しないといけません。
知性を使って、物事の道理が理解できれば、自分が思いやれる対象が広がります。
みんな仲間であり、みんなの助けがあるから、自分は生きていられるのだと、理解することが必要なのです。
知性の欠片もない指導者たちに、人生の舵取りを、任せるべきではありません。
指導者には知性のある者を、選ぶべきです。
同時に、個人個人も知性に基づいた、暮らし方を模索するのです。
そうすれば、人間社会の問題も、自然の猛威も、全て解決するでしょう。